2014 Fiscal Year Annual Research Report
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13J10177
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大谷 隆浩 名古屋大学, 情報科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 周波数コム / 構造解析 / 信号解析 / ヘルスモニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は精密小型加振機を用いた人工構造物(特に標識などの道路付属物)の振動試験と,周波数コム形式の精密な弾性波を発生する弾性波アクロス (ACROSS: Accurately Controlled Routinely Operated Signal Source) による地球深部構造の詳細解明に向けた検討を行った.さらに,電磁波を用いて地下構造を探査する電磁アクロスのデータ解析にも取り組んだ. 人工構造物を対象とした観測・実験については,標識など道路付属物の経年劣化等を診断することを目的とした解析手法の検証を行った.小型の偏心錘を装着したサーボモータを回転させることで精密な振動波形を生成する精密小型加振機を構造物に取り付けて振動試験を行った.同様に構造物に取り付けたセンサにより加速度応答時系列を計測し,自己回帰モデルに基づいて信号解析することで構造物の特性を表す伝達関数を推定する手法を検証した.また,無線センサーネットワークによる多点振動計測の基礎実験と,周波数領域の応答データから構造物のパラメータを推定する解析手法についての数値実験を行った. 地球深部構造を対象とした弾性波の周波数コム信号発生装置については,線形加振により低周波数帯の信号を生成する装置の開発について検討を進めている.また本年度からは上記のような弾性波を用いた試験・探査だけでなく,人工的に生成した電磁波により地下構造を調べる電磁アクロスのデータ解析にも取り組んでいる.バイアスや雑音,欠測などの異常を含む生の観測データから,誤差評価が付加された伝達関数情報を抽出するシステムの刷新につなげることを目的として,静岡大学で行われた過去の試験送信データの再解析作業を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
人工構造物を対象とした課題については実構造物を用いた検証を行い,その成果を学術論文等で報告した.より広範な検証実験についても計画されている.また,地球深部構造などのより大規模な構造の解析や,電磁探査との融合など発展的な課題に関しても他研究機関の研究者らと連携を取り議論を進められている.以上のことから,おおむね順調に発展していると評価する.
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Strategy for Future Research Activity |
道路付属物の振動試験に関しては,共同研究を行っている東京理科大学構内に実験用の模擬標識柱を設置した.今後はこの標識を対象として,構造物の経年変化を追従し損傷具合を評価するための解析手法を検討する.振動応答データを継続的に取得する体制の構築と,蓄積される大量のデータを効率的に解析するための手法の検討を行う. 地球深部構造の探査に関しては弾性波と電磁波の両方を統合的に扱うことが重要であるため,観測手法とデータ解析手法について共同研究者らとともに並行した議論を行う予定である.
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Research Products
(7 results)