2014 Fiscal Year Annual Research Report
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13J10205
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
門村 亜珠沙 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ユビキタスコンピューティング / 食育 / 家庭 / 行動改善 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では、昨年度に引き続き、日常の行動の中でも健康と深く関係のある食行動と、昨今重要課題とされている子供の食育活動に着目し、家庭内で楽しく食育を支援するユビキタスコンピューティングシステムの実現と『家庭内ユビキタス教育』の設計手法の体系化を目標に研究を行った。 ユビキタスコンピューティングシステムの実現として、実環境で動作可能な複数のセンサを組み込んだ多機能フォークとそのフォークと連動する食育用スマートフォンアプリケーションを実装し、それらを用いて実際の家庭で実環境実験を行った。その結果、バランス良く食べることができなかった子供の食行動改善を促進し、子供自身の意識と行動に変化をもたらしたことが確認できた。さらに、親に対しても食行動の改善意識を促すことができた。 『家庭内ユビキタス教育』の設計手法として、上述のような日常生活の中で行動改善を促すユビキタスコンピューティングシステムには、受容性、魅了性、合意性を内包し、それらを考慮することが重要であることがわかった。受容性とは通常の生活の中でユーザに受け入れられること、魅了性とはユーザにシステムを使う動機を与えること、そして、合意性とはユーザがシステムや行動改善に対して合意・納得できること、としている。 本研究の成果により、食器のみならず他の日用品、例えば、歯ブラシや枕などを教育のための学習道具として捉えることで、自然に生活をしながら行動改善を行うことに貢献できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標は、多機能フォークの実験を行い、実験結果から得られた知見をもとに、家庭内において行動改善を促すための設計指針を体系化することであった。その計画をすべて実行し、さらに執筆した論文が採択され、計画通り、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の成果により、家庭内において行動改善を促すための設計指針を体系化することができたため、今後は、食行動以外の他の行動にも着目し、ユーザを促す説得力のあるシステムを提案し、実装を行う。そして、『家庭内ユビキタス教育』の意義を確認するため、実験を行い、論文を執筆する。
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Research Products
(10 results)