2015 Fiscal Year Annual Research Report
(+)-リアノジンの不斉全合成および構造活性相関研究
Project/Area Number |
13J10235
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
枡田 健吾 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 高酸化度分子 / ラジカル |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度に達成した(+)-リアノジン、および(+)-リアノドールの不斉全合成を基盤として、様々な類縁天然物や人工誘導体の網羅的合成を行う予定であった。しかし本年度、所属研究室の他の研究者によって、一部の類縁天然物の網羅的合成が達成された。そこで本年度は計画を変更し、多様な高酸化度天然物の効率的合成を可能にする新たな方法論の確立を目指し、高酸化度炭素骨格のラジカル二量化に着目した。 糖類は容易に入手可能なポリオールであり、その二量化反応は簡便に長鎖の高酸化度炭素骨格を与える。そこで糖由来の有機テルル化合物を用いたラジカル二量化反応を計画した。その際、化学的に安定な炭素ラジカル供与体として、アルコキシアシルテルリドを設計した。アルコキシアシルテルリドの炭素テルル結合開裂によって生じるアシルラジカルは容易に一酸化炭素を放出し、アルコキシ炭素ラジカルとなる。これは隣接する酸素原子による安定化効果を受ける、比較的安定な炭素ラジカル種であるから、そのラジカル二量化反応が効率的に進行すると予想した。 まず、D-リボース由来のフラノシドに対して、室温、空気雰囲気下にてトリエチルボランを作用させたところ、良好な収率で二量化体が得られることを見出した。さらに、様々な糖由来のアシルテルリドを用いた際にも、効率的にラジカル二量化が進行した。 以上のように、室温かつ中性という極めて温和な条件下、アルコキシアシルテルリドから生じる炭素ラジカル種の二量化反応によって、高酸化度炭素骨格の効率的構築を実現した。これにより、安価に入手可能な糖類から、多様なポリオール骨格を導くことを可能にした。
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)