2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J10236
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
福山 真央 東京工業大学, 大学院理工学研究科(理学系), 特別研究員(PD)
|
Keywords | マイクロ化学分析 / マイクロ液滴 / ナノ液滴 / 選択的濃縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、マイクロ流体デバイス内で生成した数百ナノメートルサイズの液滴(ナノ液滴)を用い、新たな微少量分析操作の開発を目的としている。本年度は、前年度に開発した自然乳化を利用したナノ液滴生成法を利用した、新たな選択的濃縮法の開発を目指した。 1. ナノ液滴生成を利用したマイクロ液滴内包物の選択的濃縮法の開発 前年度に、非イオン性界面活性剤(Span 80)を含む有機相中にマイクロ水滴を生成すると、マイクロ水滴からミセルへと水が分配し、マイクロ水滴界面から100 nm程度のナノ水滴が生成する(自然乳化)現象を見出した。この現象を利用し、マイクロ水滴内包物の濃縮が可能であると考えた。蛍光色素を含む40μm径のマイクロ水滴を用意し、自然乳化に伴うマイクロ水滴縮小と、マイクロ水滴内の蛍光強度の液滴径依存を観察した。その結果、親水性またはサイズの大きい分子はマイクロ水滴内に濃縮することが判明した。親水性の高いスルホローダミンを用いた場合、500倍に濃縮されることが分かった。また、サイズが小さく疎水性の分子はナノ水滴に分配し、マイクロ水滴内に濃縮されないことが分かった。 2. 新規選択的濃縮法の生化学分析への応用可能性実証 上記濃縮法の生化学分析への応用として、ビオチン・アビジンを利用したbound complex/ free ligand(B/F)分離を実証した。 以上の成果は、マイクロ液滴を利用した微少量分析操作システムにおいてボトルネックであった、液滴内包物検出の感度向上を可能にすると期待する。これまで、マイクロ液滴は微少量試料分析のための反応場として注目を集めている一方で、液滴の光路長の短さと試料量の少なさゆえに、その内包物の検出法が限られていた。本研究の選択的濃縮法により、液滴内包物の検出法の自由度が向上し、より柔軟な微少量試料分析システムの開発が可能になると期待する。
|
Research Progress Status |
本研究課題は平成27年度の交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は平成27年度の交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Research Products
(15 results)