2014 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化の早期診断を目指したMRIセンサー分子の論理的開発
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13J10307
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩木 慎平 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | MRIプローブ / 動脈硬化 / 蛍光 / マルチモーダルイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
第一年度目である昨年度は、動脈硬化巣を標的としたMRIプローブの分子設計に着手したのち、プローブの最適化・改良を行うことで動脈硬化巣をMRIにて可視化するMRIプローブ2BDP3Gdの開発に成功したことを報告した。第二年度目である本年度は、引き続き2BDP3Gdの評価を行い、2BDP3Gdが蛍光血管内視鏡を用いたin vivo動脈硬化イメージングに適用可能であることを見出した。 動脈硬化標的部位としてBODIPYを利用していることで、2BDP3GdはMRIだけでなく蛍光によっても観察可能である。この2BDP3Gdの蛍光性を利用することでも動脈硬化巣を可視化することができれば、2BDP3Gdを用いた動脈硬化巣の診断の信頼性は大きく向上すると考えた。そこで、防衛医科大学の守本祐司先生、萩沢康介先生との共同研究にて、2BDP3Gdを用いたin vivo蛍光イメージングに着手した。2BDP3Gdを動脈硬化モデルマウス(LDL受容体欠損マウス)に静注後、48時間後に蛍光血管内視鏡を腹部大動脈に挿入してイメージングを行った結果、腹部大動脈に形成された動脈硬化巣を可視化することに成功した。このことから、2BDP3GdはMRIだけでなく蛍光でも動脈硬化を可視化できるMRI-蛍光デュアルイメージングプローブであることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
複数のモダリティを組み合わせることで診断の信頼性を向上させる技術はマルチモーダルイメージングと呼ばれており、大きく注目を集めている技術である。今回開発したMRI-蛍光デュアルイメージングプローブ2BDP3Gdを用いることで、動脈硬化モデル動物のin vivo MRイメージング及びin vivo蛍光イメージングの双方を達成することができている。また、上記の内容は既にまとめて論文を執筆し、国際学術誌Organic & Biomolecular Chemistryに投稿・受理されており、本研究を基にしたデザインがOrganic & Biomolecular Chemistryの表紙に選ばれていることからも本研究の注目度が伺える。このように、本研究は当初の想定以上に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、2BDP3Gdの更なる有用性を探るべく、抗高脂血症薬を投与した実験動物の動脈硬化巣の縮小を評価できるかについての検討や、動脈硬化の破綻しやすさとプローブの集積量との関係について検討を行っていくとともに、動脈硬化プローブとは異なる新たなテーマを立ち上げることとする。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Design Strategy for Small Molecule-based Targeted MRI Contrast Agents: Application for Detection of Atherosclerotic Plaques2014
Author(s)
Iwaki, S.; Hokamura, K.; Ogawa, M.; Takehara, Y.; Muramatsu, Y.; Yamane, T.; Hirabayashi, K.; Morimoto, Y.; Hagisawa, K.; Nakahara, K.; Mineno, T.; Terai, T.; Komatsu, T.; Ueno, T.; Tamura, K,; Adachi, Y.; Hirata, Y.; Arita, M.; Arai, H.; Umemura, K.; Nagano T. and Hanaoka K.
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Journal Title
Organic & Biomolecular Chemistry
Volume: 12
Pages: 8611-8618
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] Development of a Gd3+-based MRI contrast agent for the sensitive detection of atherosclerotic plaques2014
Author(s)
Shimpei Iwaki, Kenjiro Hanaoka, Kazuya Hokamura, Mikako Ogawa, Yasuo Takehara, Kohsuke Hagisawa, Yuji Morimoto, Kazuo Umemura, Tetsuo Nagano, Yasuteru Urano
Organizer
EMBO conference, 2014
Place of Presentation
Heiderberg, ドイツ
Year and Date
2014-08-20 – 2014-08-23
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