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2014 Fiscal Year Annual Research Report

新規ナノポーラス金触媒の創製と分子変換反応への応用

Research Project

Project/Area Number 13J10331
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

石川 敬章  東北大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC1)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywordsナノワイヤー / チタン酸ナトリウム / イオン交換剤 / ストロンチウム吸着
Outline of Annual Research Achievements

これまでに作成されてきたポーラス材料は、金、銀、銅、パラジウムやニッケル等が中心であった。脱合金化法を新たな金属へ適応し、さらに酸化物構造体の作成を目指す研究は、学術的に興味が持たれるだけでなく、酸化チタンや酸化マグネシウム等多くの有用な新規金属酸化物ナノ材料を創製する手法となり得る。
当該年度は、チタン酸化物ナノ材料の合成を目指し、チタン-アルミニウム合金からの選択的脱合金化を行った。一次元チタン酸化物ナノ材料はこれまで、ヒドロサーマル法や、ゾルゲル法などで合成されてきたが、反応には通常加熱が必要であり、それに伴う結晶成長や粒径増大を引き起こす問題があった。今回、チタンを6%含む合金を水酸化ナトリウム水溶液で処理し、室温条件下でアルミニウムを溶出させることで、白色粉末を得た。得られた材料を高分解能TEMにより分析した所、本材料が直径約3nmの非常に微細なチタン酸ナトリウムナノワイヤーであることが確かめられた。本手法は従来法と異なり、加熱が全く必要なく簡便に微細なナノワイヤーを作成可能である点で非常に優れている。また、本材料のマクロ構造はナノワイヤー同士が絡み合うことで、マリモ状の構造を有しており、この独特の二次構造の生成メカニズムも興味が持たれる点である。
本材料を用いて、ナトリウムとストロンチウムイオンのイオン交換反応特性の検討を行った。ナノワイヤーを室温でストロンチウム溶液処理した所、本材料がこれまで報告された材料と比較し、極めて速い吸着スピードと高い吸着量を併せ持つ材料であることが確かめられた。本ナノワイヤー結晶の層間距離が広く、層間でのイオンの交換がスムーズに起こるため、このような結果となったと考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

当初の計画では、該当年度は多孔質金触媒と酸化物材料を組み合わせることで、新規な触媒の作成を目指す予定であった。しかしながら実際は、卑金属-卑金属間の脱合金という新規プロセスの開発によってこれまでと全く異なるナノ材料合成法を発見することに成功した。
具体的には、チタン-アルミニウム合金からアルミニウムの脱合金化処理を行うことで、反応条件が室温と極めて穏和な条件でチタン酸化物ナノワイヤーが作成可能であった。本手法は反応条件が極めて穏和であるだけでなく、非常に微細な構造を持つナノワイヤーが作成可能であるという点で大きな利点がある。さらに、得られた材料は優れたイオン交換特性を持ち、ストロンチウム吸着剤として、既存の材料と比較し、非常に速い交換速度と高い交換容量を併せ持つ興味深い材料であった。
本手法はチタンだけでなく、多種多様な卑金属に適応可能であると考えられ、これまで作成が困難であった極微細構造を持つ新規ナノ酸化物材料の合成が可能になる可能性がある。加えて、該当年度でチタン酸化物材料の研究が大きく進んだことで、最終年度の目標であった光触媒反応開発への大きな糸口をつかむことができた。

Strategy for Future Research Activity

最終年度は当初の予定通りに、光触媒反応の創製を目指し反応を行う。昨年度に得られたチタン酸化物ナノワイヤーの作成法及びこれまで得られたナノポーラス金触媒の知識を結集し、可視光応答型光触媒の作成及び評価を目指す。また上記に加え、ナノワイヤー材料の不均一系触媒としての評価も平行して行う予定である。
さらに新たなテーマとして、非金属同士の脱合金化をチタン以外の金属へと応用することで、新たなナノ材料の作成及び評価を目指す。酸化マグネシウムや酸化アルミニウムは、触媒材料として有用であるが、脱合金化法をこれらの金属に適応することで、未だ例のない新規ナノ酸化物材料の創製を目指し研究を行う予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] The synergistic effect of nanoporous AuPd alloy catalysts on highly chemoselective 1,4-hydrosilylation of conjugated cyclic enones2014

    • Author(s)
      Chen, Q.; Tanaka, S.; Fujita, T.; Chen, L.; Minato, T.; Ishikawa, Y.; Chen, M.; Asao, N.; Yamamoto, Y.; Jin, T.
    • Journal Title

      Chem. Commun.

      Volume: 50 Pages: 3344-3346

    • DOI

      10.1039/C3CC49524H,

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2016-06-01  

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