2014 Fiscal Year Annual Research Report
精巣と初期胚特異的に発現する新規プロテアソームサブユニットα8の機能解析
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13J10397
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上地 浩之 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | プロテアソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
プロテアソームは細胞内のポリユビキチン化タンパク質を選択的に分解する巨大酵素複合体である。近年の研究から脊椎動物では免疫組織特異的に発現する免疫触媒サブユニットが特殊なプロテアソームを形成し、免疫応答機能に貢献していることが知られている。本研究課題では、これまでに哺乳類ゲノム上に存在が認められていた新規プロテアソームサブユニットα4s (研究課題ではα8と表記したが、投稿した論文の都合上こちらの名称に統一する) について、これが減数分裂前期以降の哺乳類精細胞特異的に発現し特殊なプロテアソームを形成することなどを見いだし、本年度に学術雑誌にて発表した。またα4sノックアウト(KO)マウスを作製しα4sの生理機能解明を目指したが、当初予想された精子形成や精子産生数、受精能の異常は観察されなかった。本マウスはB6系統のバックグラウンドで解析したが、B6系統とICR系統で精巣でも発現する免疫触媒サブユニットの発現様式が若干異なっていることを確認したため、ICRバックグラウンドでKOマウスを作製し直したところ、精子形成や仔の出産は正常に行われるものの、KOマウス由来の仔で個体サイズが小さいなど早期発育に異常が観察された。またKOマウスの精巣では野生型に比べて免疫触媒サブユニットのタンパク質量が増加していた。これらのことからα4sの欠損により精巣内プロテアソームの構成様式が変化し、そのことが結果として次世代の個体発生に影響を与えている可能性が示唆された。本結果は精巣特異的プロテアソームのまだ未解明な機能を解明する上で重要な知見を与える。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)