2014 Fiscal Year Annual Research Report
3次元輻射流体計算による円盤からのガス噴出現象と活動銀河核の吸収線の起源の研究
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13J10444
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
野村 真理子 国立天文台, 理論研究部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 活動銀河核 / 降着円盤 / ブラックホール / 数値シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、輻射流体シミュレーションを用いて活動銀河核(AGN)アウトフローのダイナミクスを調査し、輻射スペクトルに現れる吸収線の起源を解明することを目的としている。 本年度はまず、平成26年度に作成したコード[流体計算コード(Takahashi & Ohsuga 2013)に自作の輻射輸送コードを結合させたもの]を用いて行った輻射駆動型円盤風のシミュレーション結果の詳細な解析を行った。ここで行った計算は降着円盤の回転軸に対して軸対称を仮定した2次元シミュレーションであえる。解析の結果、ラインフォース(金属元素が降着円盤から放射されたUV光を束縛-束縛遷移吸収するときに受ける力、以下LF)によって円盤表面から密度が高く、光速の約10%の速度を持つ円盤風が噴出することがわかった。また、円盤風の速度、電離状態、柱密度はUltra Fast Outflow(UFO)と呼ばれる高速アウトフローを示唆する吸収線の観測的特徴と矛盾しないことがわかった。さらに、X線観測グループとの共同研究によりここで得られた円盤風の密度及び速度分布を元に輻射輸送を計算し、理論的にスペクトルを計算した。その結果、UFOに対応するような大きく青方偏移した高階電離状態の鉄の吸収線が現れた。これはLF駆動型の円盤風がUFOを再現する有力なモデルあることを示す重要な結果である。 本年度後半には上記計算コードを空間3次元に拡張し、円盤風の3次元構造を調査した。その結果、非軸対称で複雑な密度構造が現れることがわかった。今後このような構造を観測した場合にどのような吸収線の時間変動を引き起こすのか調べる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Spectral calculation through outflows around compact objects and its hydrodynamic simulation2014
Author(s)
Yoshida, T., Ebisawa, K., Tsujimoto, M., Ohsuga, K., Nakagawa, Y., Nomura, M.
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Journal Title
40th COSPAR Scientific Assembly. Held 2-10 August 2014, in Moscow, Russia, Abstract E1.5-54-14.
Volume: 40
Pages: No. 3727
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