2014 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎動物の生殖機能中枢制御を司る新たな神経回路の解明
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13J10475
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
善方 文太郎 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | HPG軸 / GnRH / エストロジェン / エストロジェン受容体 / メダカ / 生殖機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
脊椎動物の生殖制御機構において、生殖腺からの性ステロイド(主にエストロジェン)の受容から視床下部生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH1)産生ニューロン制御までを繋ぐ神経回路の解明を目的に研究を進めた。申請者が系統樹立した遺伝子改変メダカ、エストロジェン受容体(ER)aをEGFP標識し、ERa発現ニューロンを細胞体から神経軸索まで可視化したメダカを用いた。 (1)脳内には複数のERαニューロン群が存在するが、神経軸索投射解析の結果、GnRH1ニューロンに対する視索前野ERαニューロンの直接的な軸索投射を発見した。これにより、GnRH1ニューロンにエストロジェン濃度を伝達する神経回路の解明に大きく近づく成果が得られた。 (2)次に、申請者は視索前野ERαニューロンが産生する神経伝達物質の解析を行った。 上述の遺伝子改変メダカを用い、EGFP蛍光を標的に視索前野ERαニューロンを回収、 次世代シーケンサーによりこれらが発現する遺伝子を網羅的に解析した結果、視索前野ERαニューロンは多くが神経ペプチドよりグルタミン酸を、一部がガンマアミノ酪酸(GABA)を主に産生することが明らかとなった。グルタミン酸、GABAは哺乳類でGnRH1ニューロンの電気的活動を制御する事が示唆されており、本研究の成果はそこにエストロジェンの直接的関与を加え、GnRH1ニューロンにたいするグルタミン酸、GABAの作用にさらなる意義づけを成した。 目的としていた神経回路を形態学的に明確に示すことに成功し、エストロジェンが視索前野ERαニューロンに受容され、その濃度に応じてグルタミン酸、GABAが放出され、GnRH1ニューロンが制御されるというモデルが提唱された。これは哺乳類から魚類まで広く保存されたGnRH1制御機構である可能性も考えられ、脊椎動物全般を通した生殖機能制御機構の理解に繋がる重要な成果を挙げられた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)