2014 Fiscal Year Annual Research Report
直接測定と間接測定を利用した標準模型を超える物理の探求
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13J10486
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉永 尊洸 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 素粒子理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、昨年度に引き続き間接測定に着目した研究を行った。特に、ミューオンの異常磁気モーメントに注目した。まず、新しいレプトンを含む模型を考察した。この模型では、比較的大きな新しいレプトンとミューオンの結合を持つ場合にミューオンの異常磁気モーメントの不一致を説明できる。ただし、その結合パラメータの大きさは実験で制限される。本研究以前の最も厳しい制限は、電弱精密測定によるものであった。本研究では、ハドロン、特にπ中間子の崩壊現象で上記の結合を強く制限できることに着目した。解析の結果、現在のπ中間子の崩壊現象による制限と電弱精密測定による制限は同程度であるだけでなく、近い将来はπ中間子の崩壊現象によるものがより強い制限を与える見通しであることを明らかにした。 次に、超対称模型の考察も行った。本研究では、ミューオンの異常磁気モーメントだけでなく、暗黒物質にも焦点を当てた。現在の暗黒物質の残存量を超対称模型の枠内で説明する場合、いくつかの特徴的なシナリオの場合のみ許される。本研究では、ミューオンの異常磁気モーメントの不一致および暗黒物質の残存量の両方を説明可能なパラメータ領域の特定を行った。加えて、特定した領域を将来実験でどのように探索するかの考察も行った。 加えて、ヒッグス粒子とDi-photonの結合を軸とした研究も行った。この結合は、将来のLHC実験とILC実験の結果を組み合わせることにより非常に良い精度で測定されると期待されている。超対称模型の場合、大きな右巻き・左巻き混合を持つスタウが軽い場合にこの結合が大きくなる。ただし、混合の大きさは真空の安定性条件により上限が存在する。本研究では、真空の安定性条件をもとに結合を大きく変えるスタウの質量領域を特定し、その特定した領域を将来実験でどのように探索するかを議論した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)