2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J10618
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
熱海 悠子 北里大学, 理学部, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ゲノム不安定性 / マイクロサテライト不安定性 / ミスマッチ修復 / DNA複製ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢がリスク要因となるがんは、殆どの場合ゲノム不安定性を伴って発症している。ゲノム不安定性は染色体不安定性(CIN)とマイクロサテライト不安定性(MSI)に大別される。このうち、CINについてはDNA複製ストレスが引き金となって導入されることが明らかになってきたが、ミスマッチ修復(MMR)欠失下で導入されるMSIについては、その誘導機構が未だ不明である。 平成25年度までに、MSI誘導の原因がCINと同様にDNA複製ストレスであり、相同組換えを介した分子機構であることを見出した。また、MSIが誘導される時、校正機能を持たないポリメラーゼが関与していることを示した。そこで平成26年度は、MSIを伴って細胞が不死化する過程では、どのタイミングで変異が導入されるかを明確にし、「細胞の不死化形質の獲得」とMSI陽性細胞で認められる「高変異形質」との関係を明らかにすることを目的とした。 Msh2-KO(MMR欠損)MEFの増殖過程と不死化形質を獲得する過程の各段階(初期の活発な増殖/細胞老化に伴う増殖停止/不死化した後の増殖)におけるエクソーム解析を実施し、不死化形質の獲得に直接関わる変異が導入されるタイミングを明確にした。その結果、最も高い変異頻度は「細胞老化に伴う増殖停止」の過程で認められ、MSIが導入されるのと同時期に高変異形質を示すことが明らかになった。 平成25年度の実験結果[MSI導入はDNA複製ストレスに起因する]ことを合わせて鑑み、これらの結果から、変異導入もDNA複製ストレスに起因して、相同組換え修復の過程で導入されていることが示唆された。このことから、MMRは、DNA複製過程でのエラー修復のみならず、DNA相同組換え修復過程で導入されたエラーの修復にも関与していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、「高変異形質」と「細胞の不死化形質の獲得」の関係を明確にすることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、変異導入とMSI導入の詳細な分子機構の解明を目指す。特に校正機能を持たないポリメラーゼに着目し、相同組換え修復因子との関わりを明確にする。
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Research Products
(6 results)