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2013 Fiscal Year Annual Research Report

ヒトパラインフルエンザウイルスのレセプター認識機構の解明と感染制御

Research Project

Project/Area Number 13J10690
Research InstitutionUniversity of Shizuoka

Principal Investigator

福島 圭穰  静岡県立大学, 薬学部, 特別研究員DC2

Keywordsヒトパラインフルエンザウイルス / シアル酸 / 糖鎖生物学 / 分子生物学 / ウイルス学 / パラミクソウイルス
Research Abstract

平成25年度は、ヒトパラインフルエンザ1型ウイルス(hPIV1)及び3型ウイルス(hPIV3)のシアル酸認識特異性を比較するとともに、このシアル酸認識特異性がhPIV1とhPIV3のヘマグルチニン-ノイラミニダーゼ(HN)糖タンパク質のどのアミノ酸残基に起因するものであるかを調べた。
1, hPIV1とhPIV3のシアル酸認識特異性の比較
【具体的内容】末端シアル酸構造を改変したヒト赤血球(hRBC)を用い、赤血球凝集活性測定法及び赤血球吸着活性測定法により、hPIV1はα2,3型シアル酸を持つhRBCのみに結合し、hPIV3はα2,3型に加え、α2,6型シアル酸を持つhRBCにも結合することを明らかにした。同様に、哺乳細胞へのhPIV1及びhPIV3の感染性を比較したところ、hPIV1はα2,3型シアル酸を持つ細胞のみに感染し、hPIV3はα2,3型に加えα2,6型シアル酸を持つ細胞にも感染した。【意義・重要性】細胞表面上の様々な糖鎖に対し、hPIVIはα2,3型シアル酸のみを、hPIV3はα2,3型とα2,6型シアル酸の両方を感染に利用していることが示唆された。以上の結果を学術論文にまとめ、現在投稿準備中である。
2, hPIV3のHN糖タンパク質においてα2,6型シアル酸への結合性を決定するアミノ酸残基の同定
【具体的内容】HN1とHN3糖タンパク質のシアル酸結合ポケットでは、シアル酸と直接水素結合する8ヶ所のアミノ酸残基は保存されているが、その周辺9ヶ所のアミノ酸残基が異なっていた。変異を導入したHN3糖タンパク質の赤血球吸着活性を測定すると、375番目および408番目のどちらかのアミノ酸残基をHN1タイプのアミノ酸残基に変異させると、HN3糖タンパク質がα2,6型シアル酸への結合性を失うことが明らかとなった。【意義・重要性】HN3糖タンパク質においては、375番目と408番目の2つのアミノ酸残基がシアル酸認識特異性を決定していることが示唆された。以上の結果をポスター形式にまとめ、日本薬学会第134年会で発表した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

申請者らはこれまでに、hPIV1とhPIV3のシアル酸認識性を糖脂質との結合実験により明らかにしている。しかし、細胞表面上の様々な糖鎖に対しても、同様にhPIV1とhPIV3のシアル酸認識性を評価する必要があるとの考えから、掘り下げて研究を進めてきた。そのため、本年度初めに掲げた目標を達成するための研究着手まで、予定より時間を要してしまった。

Strategy for Future Research Activity

平成26年度は、「2, hPIV3のHN糖タンパク質においてα2,6型シアル酸への結合性を決定するアミノ酸残基の同定」の研究においてさらなる解析を進めるとともに、HN3遺伝子を持ち、かつ2で明らかとなった2つのアミノ酸変異を持つ組換えSeVウイルスを作製し、その感染性、病毒性を評価してゆく。
もしHN3遺伝子を持つ組換えSeVウイルスの作製が困難な場合は、HN1遺伝子を持つ組換kSeVウイルスの作製を試みる。HN3タイプのアミノ酸変異を導入することで、α2,6型シアル酸に結合1生を示す変異型HN1糖タンパク質遺伝子を作製する。この変異型HN1遺伝子を導入した組換えSeVを作製し、その感染性、病毒性を評価してゆく。

  • Research Products

    (5 results)

All 2014 2013

All Presentation (4 results) Book (1 results)

  • [Presentation] ヒトパラインフルエンザウイルスのヘマグルチニンーノイラミニダーゼ糖タンパク質においてシアル酸結合特異性を決定するアミノ酸残基の同定2014

    • Author(s)
      福島圭穰、高橋忠伸、高口仁宏、鈴木隆
    • Organizer
      日本薬学会第134年会
    • Place of Presentation
      熊本
    • Year and Date
      2014-03-28
  • [Presentation] ヒトパラインフルエンザ3型ウイルス感染によるヒト血液型I糖鎖抗原高発現細胞における多核巨細胞形成の促進2013

    • Author(s)
      高野舞子、高橋忠伸、福島圭穰、早川拓哉、鈴木隆
    • Organizer
      第86回日本生化学大会
    • Place of Presentation
      横浜
    • Year and Date
      20130911-12
  • [Presentation] 顕著な細胞融合活性を示すヒトパラインフルエンザ1型ウイルス変異株の機能解析2013

    • Author(s)
      福島圭穰、高橋忠伸、鈴木隆
    • Organizer
      第61回日本ウイルス学会学術集会
    • Place of Presentation
      神戸
    • Year and Date
      2013-11-10
  • [Presentation] ヒト血液型I糖鎖抗原の高発現細胞におけるヒトパラインフルエンザ3型ウイルス感染による多核巨細胞形成の亢進2013

    • Author(s)
      高野舞子、高橋忠伸、福島圭穰、早川拓哉、鈴木隆
    • Organizer
      第77回日本生化学会中部支部例会・シンポジウム
    • Place of Presentation
      名古屋
    • Year and Date
      2013-05-25
  • [Book] 県立大学薬学部生の研究報告 HPIVの単離と解析2013

    • Author(s)
      福島圭穰
    • Total Pages
      1
    • Publisher
      中日新聞

URL: 

Published: 2015-07-15  

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