2014 Fiscal Year Annual Research Report
動物体内での低酸素環境の検出を目指した波長変化型近赤外蛍光プローブの開発
Project/Area Number |
13J10749
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
朴 文 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 蛍光プローブ / 低酸素 / アゾ化合物 / ケミカルバイオロジー / 光増感剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
低酸素応答システムを解明するにあたり、生体内の低酸素環境を検出できる蛍光プローブの開発は非常に有用である。本研究ではこれまでに、アゾ基が低酸素環境下において還元されやすいことと、色素として無蛍光となることを利用した低酸素感受性蛍光プローブ群を開発した。 本年度では、これまでに開発した蛍光プローブ群の酸素濃度感受性が異なる要因に関して精査を行った。その結果、蛍光プローブの母核となる蛍光色素の骨格によってそれぞれの求電子性が異なっており、特に600 nm以上の領域に吸収・蛍光を持つ赤色・近赤外蛍光色素では求核剤によって求核攻撃されやすいことが分かった。蛍光プローブが求核攻撃を受けると、分子全体の共鳴系が切断された結果、還元されにくくなると共に、還元反応後に生じる蛍光色素も無蛍光性となり、全体として蛍光シグナルが低下する。そこで、立体的障害を付与した分子デザインを構築したところ、生体分子による求核攻撃に対して抵抗性が向上し、低酸素感受性が改善されてマイルドな低酸素環境に対しても応答することが確認された。 さらに、蛍光プローブの分子デザインを応用し、アゾ基の切断に伴い始めて一重項酸素生成能が生じる機能性光増感剤の開発研究を展開した。特定のターゲットを認識して一重項酸素生成能を発揮する機能性光増感剤は、光照射により標的細胞を殺傷することができることから、光線力学療法において有用なツールとなり得る。 本年度では機能性光増感剤の細胞殺傷能に関して精査した。その結果、常酸素環境下では細胞殺傷能を有さないのに対し、8%程度のマイルドな低酸素環境下に維持した状態で光照射を行ったところ、細胞死が観察され、腫瘍内のマイルドな低酸素環境下などで細胞殺傷を引き起こせることが期待される結果となった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)