2013 Fiscal Year Annual Research Report
直感的なグラフィックデザイン支援による感性表出メディアの構築
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13J10750
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
石橋 賢 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | グラフィックデザイン支援 / 感性表出 / グリッドレイアウト / コラージュ / コミュニケーション |
Research Abstract |
本研究の目的は, デザインの要素を探索する手間を軽減し, ユーザの嗜好に基づく効果的な情報伝達メディアを簡便に制作できる環境を構築することである. 本年度は, グリッドレイアウトに着目し, 提案する視覚的類似性に基づく支援モデルを利用することで, 簡単にグリッドレイアウトを制作できるシステムを構築した. 提案手法は, デザインの知識や経験に基づくスキルが不足する未習熟なユーザにとって有効であり, 日本とオーストラリアの学生を対象にした評価実験結果から, 提案手法が簡単かつ素早くグリッドレイアウトを生成できることが実証された. さらに, 近年SNSや写真共有サイトなどで頻繁に見られるコラージュ画像の生成機能を追加し, 提案システムを用いてコラージュ画像を生成する実験を行った. その結果, 各被験者の満足度の高いコラージュ画像が短時間で生成できることが確認できた. 本研究では, 視覚的類似性に基づくグラフィックデザイン支援モデルが基盤となっており, レイアウトのデザイン要素においても, 提案するモデルが適用できることが確かめられた. これにより, ユーザの所望するレイアウトを用いて, 複数の情報を一度に提示できるコラージュ画像を簡便に生成できるため, 情報伝達メディアの制作を支援できると言える. この成果は, デザインの要素を簡単に扱えるようになるだけでなく, 情報伝達の効率化を促進するグリッドレイアウトをユーザの要求に沿って生成できるという点で, 円滑なコミュニケーションと個人の持つ感性の表出という点に貢献できると考えられる. 本研究は, 感性とコミュニケーションを対象とする学際的な研究であり, 国内外において意義のある研究であると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度では, グリッドレイアウトを簡便に制作できるシステムを提案し, 国内外における評価実験を通して, その有効性を検証した. 評価実験結果では, 普段はグラフィックデザインの作業を行わない一般のユーザでも, 簡便にレイアウト作業を行うことができ, コラージュ画像を生成できることが確かめられた, この成果により, 本研究の目的を達成できたと言え, おおむね順調に研究が進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究方策として, グラフィックデザインでも特に重要な要素である色に着目して研究を進める. パッケージデザインや映画やアニメーションの演出などでも, 色情報は特定の印象を与えるために必要な要素となっている. 提案しているグラフィックデザイン支援モデルを用いて, 配色検索を支援するプロトタイプを構築中であり, 次年度では, 配色検索を容易に行える手法の構築を目指す. これにより, グラフィックデザインの基本要素がすべて取り扱うことができるため, 各要素の組合せを適切に行うなど複数要素における支援という方策で研究を発展させる予定である.
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Research Products
(3 results)