2013 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外環境での小さな操作分子イメージングツールの開発
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13J11181
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 貴久 福島県立医科大学, 生体情報伝達研究所, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-26 – 2016-03-31
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Keywords | 分子生物学 / 蛍光タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
私は以前、Cysteine-freeな蛍光タンパク質改変体について報告した。これらは細胞外や分泌系など、酸化的環境でのバイオイメージングに特に有用であった。本研究ではこのアプローチを更に発展させ、以下について検討を行った。 i)光変換型蛍光タンパク質の改変体開発:mKikGRやDendra2などの光変換型蛍光タンパク質は、405nmのパルスを照射することで励起と蛍光の特性が変化する特性を有する。これは分泌系などで輸送されるタンパク質をリアルタイムでトラッキングできるタグとして有用である。これらの蛍光タンパク質もシステインとN型糖鎖修飾部位があるため、それらを排除した改変体を開発した。 ii)小さな蛍光プローブの改良:SNAPtagなど、低分子蛍光物を用いた標識系は多数報告され市販されているが、非結合物の蛍光のためにs/nが悪いという問題点がある。そこで従来型GFPよりも小さいイメージング用蛍光タグとして、FMN結合型のphiLOV2.1に注目した。phiLOV2.1の分子輝度は低く、また改善はされたものの光褪色耐性も低い。そこでこれを分泌系タンパク質のタグとしてライブセルイメージングに耐えられるよう、改変を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
i)mKikGRはシステインの数が多く、糖鎖修飾部位もあるため改変が難航したが、改変前と遜色の無い光変換特性を維持したままCysteine-glycan-freeな改変体を得ることができた。また一分子輝度計測の結果は、改変により若干の改善が見られている。 ii)今回着目したphiLOV2.1は輝度が低いことに加え、論文の報告から想定していた以上に光褪色が早いことが実測結果から判明した。そこでいくつかのアミノ酸に変異を加えたところ、分子輝度が改善された改変体を得られた。この改変体は特に顕著であった光褪色耐性を大きく改善している。
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Strategy for Future Research Activity |
分子輝度については若干の改善が見られたcgfmKikGRではあるが、その他の光化学特性についての検討が求められる。そのためまず、改変前後での精製標品を作製し、吸収波長やpKaなどの測定を行う。さらに偶然発見された蛍光寿命の変化から、分子会合状態の測定について、適正な解析方法も含めた詳細な検討を行う。分泌系での蛍光寿命を用いたライブセルイメージングは十分信頼置ける測定となっているため、これを応用したイメージング例についても模索する。小さな蛍光タグphiLOV2.1については、作成した改変体ベースにN型糖鎖修飾部位を除去した改変体の開発を目指す。さらに分泌系タンパク質のタグとしてのアプリケーション例を模索し、従来型GFPタグとの差異について検討する。
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Research Products
(1 results)