2013 Fiscal Year Annual Research Report
植物が独自に獲得したDNAチェックポイント機構の解明
Project/Area Number |
13J40017
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
岡本 郁 (愿山 郁) 京都産業大学, 総合生命科学部, 特別研究員(RPD)
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Keywords | DNAダメージ / DNAダメージレスポンス / DNA修復 / チェックポイント / 植物 |
Research Abstract |
1. 新規DNAチェックポイント因子の探索 DNAダメージを処理した植物体と処理しない植物体からタンパクを抽出し、SOG1をタグ抗体で共免疫沈降後、MASS解析することによって、DNAダメージ依存的にSOG1と結合しているタンパク質を明らかにした。その結果、70種類以上のタンパク質が同定され、その中でも複数回の実験によって同定されてきたProhibitinに注目した。植物のProhibitinがSOG1と相互作用してDNAチェックポイントに関与している可能性について現在検討している。 2. SOG1リン酸化サイトの同定 SOG1の5つのSQモチーフのそれぞれ1カ所ずつ、あるいは3/5カ所(350A & 356A & 372A)、または2/5カ所(430A & 436A)をAQに変異させたSOG1タンパクを精製し、ヒトATMを用いてin vitroキナーゼアッセイを行った。その結果、すべての変異型SOG1においてリン酸化シグナルが検出された。この結果からSOG1のSQモチーフの複数箇所がヒトATMによってリン酸化されていると考えられた。この結果はEMBO Report (2013) Vol. 14で発表している。現在は5カ所のSQのうち1カ所だけをSQのまま残し、残りをAQに変異させたSOG1の精製と、そのコンストラクトを持った植物体を作製して、DNAダメージに応答したSOG1のリン酸化部位の同定とその意義の解明についての解析を行っている。 3. SOG1が直接制御しているターゲット遺伝子の同定 ChIP-PCR解析によって、DNAダメージ依存的にSOG1と直接結合しているDNAを解析したところ、細胞周期を負に制御するCDK阻害因子SMR5と7のプロモーター配列が同定された。よってSOG1はこれらの遺伝子の制御を直接行っていると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、SOG1と相互作用している可能性のある因子の解析や、SOG1のリン酸化部位の同定などが順調に進んでおり、得られた結果からさらに研究が発展する事が期待される。SOG1のリン酸化部位の同定に関する結果の一部や、SOG1のターゲット遺伝子の同定に関する結果は2報の論文で発表されており、さらに植物と動物のDNA損傷応答の比較について述べた総説も1報発表している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はSOG1とDNAダメージ依存的に結合する因子の他に、通常の状態でSOG1と結合しているが、DNAダメージに応答してSOG1から解離する因子にも注目して解析を行う予定である。また、SOG1のリン酸化部位が同定出来れば、それらの部位のリン酸化がシグナルを下流に伝える際にどのように機能しているのか、細胞死や細胞周期の停止を誘導する際にリン酸化される部位は異なるのかといった点についても明らかにする予定である。さらに今後は、SOG1が植物の進化の過程のどの時点で獲得ざれたのかを明らかにするために、SOG1の進化的な解析も行う予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] The Arabidopsis SIAMESE-RELATED Cyclin-Dependent Kinase Inhibitors SMR5 and SMR7 Regulate the DNA Damage Checkpoint in Response to Reactive Oxygen Species2014
Author(s)
Yi D, Alvim Kamei CL, Cools T, Vanderauwera S, Takahashi N, Okushima Y, Eekhout T, Yoshiyama Okamoto K, Larkin J, Van den Daele H, Conklin P, Britt A, Umeda M, De Veylder L
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Journal Title
Plant Cell
Volume: 26
Pages: 296-309
DOI
Peer Reviewed
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