2015 Fiscal Year Annual Research Report
麻疹ウイルスに対する個体レベルでの感染防御の分子機構の解明
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13J40020
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
有木(高木) 宏美 北海道大学, 医学研究科, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 麻疹ウイルス / I型IFN |
Outline of Annual Research Achievements |
麻疹ウイルスによる感染防御機構を明らかにするために、麻疹ウイルス受容体であるヒトCD150トランスジェニックマウス(Tg)と感染防御に関わる分子のノックアウトマウスとを掛け合わせ、感染実験を行った。これまでの研究で、インターフェロン受容体(IFNAR)を欠損するCD150Tg/Ifnar KOに麻疹ウイルスを腹腔内に感染させると、マウス生体内でウイルスは増殖した。しかし、腹腔内投与では、自然感染を模しているとは言い難く、自然感染により近いモデルとしてウイルスの経鼻投与、経気道投与による系を用いて実験を行った。ルシフェラーゼ遺伝子を組み込んだ麻疹ウイルスを経気道的に感染させ、3日後の肺を回収し、肺組織での感染効率をルシフェラーゼ活性で評価したところ、CD150Tgマウスに比べてCD150Tg/IFNARKOマウスではルシフェラーゼ活性の上昇が観察された。しかし、経鼻投与においては、残念ながら肺組織での感染が成立しなかった。これは、経鼻投与では感染量が低いため、肺組織での検出に限界があると考えられる。 肺上皮細胞であるA549細胞にヒトCD150を安定発現させた細胞では麻疹ウイルス感染時にオートファジーが誘導されることが知られている。そこでVero細胞にCD150を安定発現させた細胞株を用いてオートファジーの検出を行ったが、Vero細胞では観察されなかった。一方、CD150Tg/IFNARKOマウス由来の骨髄由来樹状細胞では麻疹ウイルス感染によりオートファジーが誘導された。さらに、オートファジーの阻害剤を添加すると樹状細胞から産生されるI型IFNの産生が減少していた。これは細胞の種類によって麻疹感染時の応答が異なっており、誘導されたオートファジーの役割も細胞ごとに異なっていることを意味している。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)