2013 Fiscal Year Annual Research Report
カロテノイド生合成制御機構の解明とそれを応用した新花色花きの創出
Project/Area Number |
13J40129
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
小田 千尋 (山溝 千尋) 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 花き研究所 花き研究領域, 特別研究員RPD
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Keywords | カロテノイド / 転写因子 / yeast one-hybrid / 花色 |
Research Abstract |
花の色は豊富にあるように思うが、それぞれの品目についてみると色の幅は限られている。新しい花色花きは、商品価値を高めるため、その創出は大きな目標となっている。黄色のアサガオは、「幻のアサガオ」と位置付けられ、江戸時代からその育種は試みられているが、未だに成功していない。また、シロイヌナズナのように、非常に多くの変異体が存在する植物でも、黄色の花は作出されておらず、従来の育種や単独の遺伝子の変異では、黄花の作出は難しいと考えられる。鮮やかな黄色の花色発現は、主にカロテノイドが担っており、カロテノイドは多くのステップを経て生合成されるが、その制御機構はほとんど明らかになっていない。本研究では、複数のカロテノイド生合成酵素遺伝子の発現を制御する転写因子を同定し、カロテノイド蓄積量を制御することで、高付加価値のある新花色花きを創出する。 植物体に蓄積するカロテノイド量を制御する鍵酵素として報告されているphytoene synthase (PSY), phytoene desaturase (PDS), ζ-carotene desaturase (ZDS)、蓄積するカロテノイドの種類を決定するlycopene β-cyclase (LCYB), lycopene ε-cyclase (LCYE)、花弁に蓄積しているカロテノイドのほとんどはエステル体で存在しているが、そのエステル化に必要な水酸基を付加す酵素であるβ-ring hydroxylase (BCH1, BCH2)、合成されたカロテノイドを分解してcolorless compoundにするcarotenoid cleavage dioxygenase (CCD4)の8遺伝子について、ゲノム情報遺伝子について, ゲノム情報が整備されているアラビドプシスからプロモーター領域を単離し、GATEWAYシステムを利用しyeast one-hybridアッセイに用いるbaitコンストラクトを作製した。このbaitコンストラクを利用してシロイヌナズの転写因子のみで構築されたcDNAライブラリーを用いた新奇なyeast one-hybrid法による網羅的スクリーニングを行った。その結果、PSYを除く7遺伝子について、その発現制御に関わる転写因子の有力な候補をいくつか単離することに成功した。PSYについては、酵母を変えてスクリーニングを複数回行ったが、候補を得ることは出来なかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カロテノイド生合成および分解酵素遺伝子8遺伝子についてbaitコンストラクトを作製し、新奇なyeast one-hybrid法でスクリーニングを実施することにより、7遺伝子について有力な転写因子の候補を得ることが出来た。1遺伝子については、酵母を変えて、複数回スクリーニングを行ったが, これまでに有力な転写因子候補は得られていない。当初の計画より、多くの遺伝子について転写因子候補を獲得することに成功したが、重要な遺伝子の転写因子が得られていないので、今回は②と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた転写因子について、in plantaでの結合能検定を行い、結合が確認されたものについて、mutantおよび過剰発現体の作出を行い、表現型の評価を行う。 今回、転写因子の候補が得られなかった遺伝子について、プロモーター領域の長さの変更などbaitコンストラクトの再構築を行って、スクリーニングに供試する。
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