2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14002003
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 孝嘉 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (60087509)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
籔下 篤史 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (20376536)
|
Keywords | 非同軸光パラメトリック増幅(NOPA) / キャリアエンベロープ位相(CEP) / 絶対位相 / 可視?近赤外領域 / 遷移状態分光 / 分子配向誘起 / フォトニッククリスタルファイバー / コヒーレントコントロール |
Research Abstract |
本研究の目的は、極限的超短パルスの発生、超短パルス特性新計測法の開発、遷移状態分光法の確立である。 (1)極限的超短パルスの発生:我々は二台のNOPAを開発、作成し、フォトニッククリスタルファイバーを用いてNOPA出力パルスのCEP自己安定化に対する評価を行い、光学系がよい安定性を持つことが確認した。また、スペクトル干渉により二台のNOPAの個々の特性及び相互安定性を評価した。これにより二台のNOPAでポンプ・プローブ実験を行うことが可能になった。有機分子の励起光源として有望なNOPA出力パルスの第二高調波を発生、評価する光学系の設計を行った。 (2)超短パルス特性新計測法の開発:OPA過程を用いた絶対位相自動安定化光源を開発し、π/10以下でゆらぎを安定化することに成功した。この光源を用いた絶対位相光ポーリング実験の結果、分子配向誘起の効率は絶対位相により制御されることを実験的に測定することができ、理論予測とも一致した。この成果は、Phys.Rev.Lett.に投稿し受理された。 (3)遷移状態分光法(分子振動の実時間分光):我々の提唱した遷移状態分光は、極めて強力な研究手法だが、励起状態と基底電子状態の両分子振動が励振される場合、両寄与の分離が必要になる。これは、前年度までに開発したマルチチャンネル(128ch)・ダブルロックインアンプ分光系を用いて達成でき、我々はJ会合体、ポリジアセチレン、緑色蛍光タンパク質、フタロシアニン錯体、光合成系色素であるカロテノイド、スチルベンおよびその置換体等の超高速分光や、ダブルパルスによるコヒーレントコントロールを探る研究に用いた。特にポリジアセチレンについては、fsホールバーニング法と遷移ピーク追跡法により、励起状態がブタトリエン型からアセチレン型に変わった後、ブタトリエン型に緩和することを実時間的に観測することができた。
|
Research Products
(17 results)