2004 Fiscal Year Annual Research Report
大脳認知記憶システムの分散型メカニズムの解明:サルfMRI法に基づく統合的研究
Project/Area Number |
14002005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮下 保司 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40114673)
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Keywords | 神経科学 / 磁気共鳴機能画像 / 記憶 / 大脳皮質 / 画像計測 |
Research Abstract |
サル用高磁場磁気共鳴画像システムの実用化は、完了した。Block型デザインの計測では、in plane 1mm x 1mm voxelの画像取得により実験を行うことが可能であり、Event-related型デザインではin plane 1.25mm x 1.25mm voxelの機能画像取得が可能になった(Koyama et al.Neuron 41,795-807,2004)。大脳側頭葉における記憶神経回路の解析に関しては、複数ニューロン同時記録法を導入し、クラスタカッティング法によって単一神経活動を分離した。サルを被験者として情報処理負荷の変化によってニューロン活動の時間相関どのように変化するかを調べた(Hirabayashi and Miyashita, in revision)。文脈記憶の側頭葉における局在性の解析に関しては、Feeling-of-Knowing課題を顔-名前の対連合想起に適用することによって、側頭後頭葉FFA野および側頭頭頂葉のSTS後壁領域に局在する活動を同定し、従来の前頭葉の活動部位局在について知見に加えて後連合野内の局在を明かにした(Kikyo and Miyashita, NeuroImage 23,1348-1357,2004)。文脈記憶、出典記憶の記銘と想起を支える前頭葉機能の解析については、記憶保持過程を支える神経回路を内部ターゲットアップデイト課題を用いて解析を進めた(Fukushima, Hasegawa and Miyashita, J.Nerurophysiol.91,1367-1380,2004.)。ヒトにおける文脈記憶課題研究(例えばRecency Memory課題)をサルに適用可能な形式に拡張し、高磁場fMRIシステムで解析を進めている(Osada and Miyashita, in preparation)。これらの研究の進展を踏まえて、認知記憶システムの全体構造についての大域ネットワークモデルを提唱した(Miyashita, Science 306,435-440,2004)。
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Research Products
(5 results)