2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14002007
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三原 勝芳 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 特任教授 (40029963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 直忠 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 助教 (10325516)
小宮 徹 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 准教授 (40304802)
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Keywords | ミトコンドリア / 蛋白質輸送 / 膜透過 / 膜融合 / 膜分裂 / 前駆体蛋白質 / 膜蛋白質 / シグナル認識 |
Research Abstract |
ミトコンドリア(Mt)膜の合成と分裂・融合の機構解明を目指して計画を実施し以下の成果を挙げた. 【膜蛋白質挿入機構】(1)C-末アンカー型蛋白質の輸送経路を培養細胞とセミインタクト細胞で解析しTom5以外はTOM複合体に依存しない経路で膜に挿入されることを明らかにした(瀬戸口ら,EMBO J,2006).(2)複数回膜貫通型外膜蛋白質(PBR,Mfn1&2,MITOL)の標的化・膜挿入をin vitroおよび培養細胞で解析し、Tom70と膜間部の因子に依存し、Tom40チャネルには依存しないユニークな経路で膜に挿入されることを明らかにした(大寺ら、JCB,2007)。(3)従来のTOM40に60%ホモロジーを持ち、脳に強く発現している新たなTOM40bを見出し解析した(木下ら,JB,2007).(4)哺乳類MtのTOM複合体の構成成分Tom5,Ton6,Tom7を同定し機能解析を行った(加藤ら.投稿中). 【Mtの分裂・融合機構】(1)Mt融合因子Mfn1およびMfn2に結合する細胞の生育に必須の細胞質因子MIBを同定した。MIBはMfnの活性を負に制御していると結論した(江浦ら,JCS,2006)。(2)膜間部位に局在するOPA1は複数の存在状態を介してMt形態と機能を調節すること、m-AAA型プロテアーゼが切断に関わることを見出した(石原ら,EMBO J,2006).(3)DRP1のノックアウトマウス作成:胎生10.5日で致死性を示し、脳の形成に異常が見られる。神経特異的なノックアウトマウスは生後1日以内に致死となる。神経細胞の分化能に障害が観察される(石原ら,投稿準備中)。(4)細胞周期に於けるMt形態変化とDrp1の関与を解析した。M期にDrp1のリン酸化に依存してMt分裂が惹起されること、Drp1の活性を抑制するとMtは不均等な分裂を行うことを明らかにした。細胞周期のチェックポイントにはならない(田口ら,JBC,2007)。(5)Wolf-Hirschhon症候群の原因遺伝子であるミトコンドリア内膜蛋白質LETM1がミトコンドリア形態調節と呼吸鎖形成に関わることを発見した(玉井ら、JCS2008)。(6)ミトコンドリア内膜構造と細胞死の際のcyt.cの放出を調節する新規な内膜蛋白質MICS1を見いだした(岡ら、MBC2008)。(7)線虫を用いて遺伝子ノックダウンによりMt形態制御に関わる遺伝子を網羅的に解析した(市下ら、JB,2008)。(8)その結果、ミトコンドリア輸送に関わる新規なキネシンファミリー蛋白質を見いだした(杉浦,田中ら、投稿準備中)。
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Research Products
(9 results)