2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14002008
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
石渡 信一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10130866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船津 高志 東京大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (00190124)
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Keywords | 生体分子モーター / バイオナノゲージ / 光ピンセット / SPOC / ミクロ温度計測 / フォトンカウンティングヒストグラム / アクチン / 細胞分裂装置 |
Research Abstract |
H.18年度の主な成果は、それまでの成果を充実させ論文発表に至った点、新しいテーマについて興味深い結果を得た点である。1.ミオシンVとVI分子モーターのADP結合能に逆向きの負荷方向依存性が存在することを、1分子破断力測定を用いて見出していたが、モデル解析を行い、実験データの解釈を著しく充実させた(改訂論文投稿中)。2.アクチンフィラメントに結合した蛍光分子の蛍光強度が、加えた負荷の大きさに応じて可逆的に変化するというバイオナノゲージにつながる研究を進め、コントロール実験を含めてまとめた(論文作成中)。3.SPOCの分子メカニズム解明に向けた鍵データとして、筋節の振動に伴って筋フィラメント間隔が変動する結果が得られた。すなわち、筋節長に応じてミオシンとアクチンの相互作用確率が変動するものと考えられる(論文準備中)。4.遺伝子組換え蛋白質について、アミノ酸置換微小管(チューブリン)に対するキネシン分子の結合力測定で著しい成果があがりEMBO.J.に発表した。アクチンについては新PDの雇用により、昆虫細胞を用いたアミノ酸置換体の調製が格段に進んだ(一部論文準備中)。5.ミクロ温度計測法を用いて、ERでのCa取り込みに伴って1℃上昇することを1細胞レベルで検出し、Biophys.J.に発表した。6.石渡・船津グループの共同研究の成果として、フォトンカウンティングヒストグラム(PCH)法を応用することで、アクチンフィラメント溶液におけるフィラメントの長さ分布を求めた。その結果、Helical Polymerの前駆体としてLinear Polymerが存在することを初めて実験的に示すことに成功した(Biophys.J.に発表)。7.細胞分裂メカニズム研究に関して、Xenopus卵より単離した細胞分裂装置に働く力のバランスを顕微計測する手法を開発し、数々の新しい現象を見出した。
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Research Products
(29 results)