2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14002010
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Research Institution | RIKEN (The Institute of Physical and Chemical Reseach) |
Principal Investigator |
河野 公俊 独立行政法人理化学研究所, 河野低温物理研究室, 主任研究員 (30153480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋元 彦太 独立行政法人理化学研究所, 研究技術開発, 開発研究員 (60202545)
池上 弘樹 独立行政法人理化学研究所, 河野低温物理研究室, 研究員 (70313161)
大野 圭司 独立行政法人理化学研究所, 河野低温物理研究室, 研究員 (00302802)
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Keywords | ヘリウム液面電子 / Qubit / ヘリウム液面下のイオン / 超流動 / ヘリウム3 / 表面 / 表面 |
Research Abstract |
この研究ではヘリウム表面上の電子と表面下のイオンをプローブとして、液体ヘリウム表面の特性を探求するとともに、ヘリウム液面上の電子を面内に閉じ込め、ミリ波吸収による量子状態の制御と量子ビットへの応用の可能性を探るという2つのテーマについて研究を実施した。本年度は^3He表面研究のために準備中であった、核断熱消磁クライオスタットが完成し、超流動^3He-Aおよび磁場中超流動^3He-B表面上の2次元電子の伝導度を測定し、自由表面と磁場が存在する時の超流動^3Heの異方性に起因する織目構造という内部構造について詳細なデータが得られた。回転クライオスタットでは、毎秒1回転までの回転速度の範囲で、ヘリウム表面上2次元電子の伝導度測定ができるようになった。これまでに得られている結果よりも安定した測定結果が得られた。液体^3He上の電子系が形成する離散的な表面準位間の遷移に伴う、130GHzミリ波吸収の観測に成功した。量子状態制御に向けた大きな進展である。今後、ミリ波吸収に助けられた逸出現象の観測に向けて実験を進める予定である。ナノサイズの間隙をもつ電極を用意し、ヘリウム薄膜上に蓄えられた電子系の移動度測定を行った。金属に吸着したヘリウム薄膜上電子の伝導が確認されたが、大半の電子が局在状態にあり、伝導に寄与していないことが明らかになった。毛細管凝縮したヘリウムチャネル上に電子を閉じ込める方法も試み、信号を観測することができた。
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Research Products
(4 results)