2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14011219
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
笠原 正典 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 教授 (30241318)
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Keywords | パラロガス領域 / ゲノム重複 / MHC / 無顎類 |
Research Abstract |
われわれは、HLA(MHC)領域とパラロガスな領域がヒトゲノムに3箇所存在することを発見し、これらのパラロガス領域とHLA領域の原型が脊椎動物進化の初期におきたと想定される2回の大規模な染色体重複(おそらくはゲノム重複)によって形成された可能性が高いことを示してきた。今日では、本パラロガス群はヒトゲノムで同定された数多くのパラロガス領域のプロトタイプとしての地位を確立しつつある。しかしながら、1)パラロガス領域を生み出した重複の性質、回数、時期、2)重複ののちにゲノムに生じた変化、に関しては十分な理解が得られていないのが現状である。そこで、本研究では、1)系統発生的に2度の重複の直前、直後に位置すると考えられる無顎類(特に、ヌタヌナギ)に焦点を当てて、MHCパラロガス群のBACクローンを用いた解析を行うとともに、2)ゲノム解析が終了しつつあるヒトおよびマウスを対象として、重複後に生じたゲノム構造の変化を明らかにすることを目的として研究を遂行し、以下の成果を得た。1)哺乳類とほぼ同じゲノムサイズをもっと推定されるヌタウナギのゲノムを3倍カバーするBACライブラリー(平均インサート長約100kb)を作製した。2)上記BACライブラリー(3倍ゲノムカバレッジ分)のスクリーニングを行い、7個のMHC前駆領域をカバーするBACクローンを同定し、その塩基配列を決定した。3)ヌタウナギ白血球由来cDNAライブラリーのランダム・シークエンスを行い、約12,000クローンの5'-end,3'-endの塩基配列を決定した。4)MHCパラロガス群に属するホヤ遺伝子を体系的に同定し、染色体重複後に生じたゲノム構造の変化を解析した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kasahara, M. et al.: "A family of MHC class I-like genes located in the vicinity of the mouse leukocyte receptor complex"Proc.Natl.Acad.Sci. USA. 99. 13687-13692 (2002)
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[Publications] Nagata, T. et al.: "The leukocyte common antigen (CD45) of the Pacific hagfish, Eptatretus stoutii : implications for the primordial function of CD45"Immunogenetics. 54. 286-291 (2002)
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[Publications] Liu, Y.et al.: "Xenopus class II A genes : studies of genetics, polymorphism, and expression."Dev.Comp.Immunol. 26. 735-750 (2002)
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[Publications] Welch, A.Y.et al.: "Identification of the mouse killer immunoglobulin-like receptor-like (Kin) gene family mapping to chromosome X."Immunogenetics. 54. 782-790 (2003)
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[Publications] Kasahara, M.: "Polyploid origin of the human genome. In : D.N.Cooper (ed.): Encyclopedia of the Human Genome"Nature Publishing Group(印刷中). (2003)