2002 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム研究の歴史と社会との相互作用に関する研究―日本とアジアを中心に
Project/Area Number |
14011220
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 和人 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (10202011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 裕理子 京都大学, 人文科学研究所, 助手 (30346051)
位田 隆一 京都大学, 法学研究所, 教授 (40127543)
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Keywords | ゲノム / 生命倫理 / コミュニケーション / 医学 / 遺伝学 / アジア / 日本 / 社会との接点 |
Research Abstract |
1)ゲノム研究の歴史を調査するための文献調査および聞き取り調査を国内外の研究者に対して行ない、データベースの作成を進めた。世界のゲノム研究に対する日本の研究の位置付けが次第に明らかになってきている。さらに、「ゲノムとは何か」などの基礎知識を専門外の人々に知らせるためのインターネットのサイト「ATGenome Communication」(略称「あっとゲノム」)を作成した。 2)ヒトゲノム研究の発展にともなって起こる倫理的・法的問題に関する国際的議論の歴史および現状について、ユネスコおよびHUGO(国際ヒトゲノム機構)での議論を中心に調査を行なった。ユネスコは2003年10月総会で遺伝情報に関する宣言を採択する予定で、HUGOは2003年4月に「ヒトゲノムデータベースに関する声明」を発表する予定だが、それらの作成経緯を調査した。 3)ゲノム研究に関連して、20世紀後半を中心とする医学及び人類遺伝学とその社会的影響についての資料を収集し、それをもとに年表資料の作成を開始した。 4)市民とゲノム研究者の交流イベント「ゲノムひろば」を総合担当として実施し、来場者および展示に参加した研究者の意識に関する調査を行なった。ゲノムひろばで用いた「市民のための実物付きポスター展示」は、実際に研究に携わる研究者が市民の興味を引き付けながら直接に対話できるという特徴を持ち、研究情報の発信方法として優れていることが明らかになった。また、この方法を通して、研究者の社会的意識が高まるという効果があることもわかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 加藤 和人: "生命倫理とゲノムひろば"パリティ(丸善). 17巻11号. 58-61 (2002)
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[Publications] Kazuto Kato: "The Language of Present-day Biology and Biomedicine : Globalized Sciece Meets Cultural Diversities"Occasional semirar Reports of the Instutute for Research in Humanities, Kyoto University. No.7. 37-42 (2002)
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[Publications] 加藤 和人: "生命科学と社会"Molecular Medicine. 40巻. 344-349 (2003)