2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14011242
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
荻原 保成 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助教授 (40185533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村井 耕二 福井県立大学, 生物資源学部, 助教授 (70261097)
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Keywords | 倍数性コムギ / EST解析 / 遺伝子の発現調節 / 倍数性生物のSNPs解析 / 高分子ゲノミックライブラリ / 植物のゲノム進化 |
Research Abstract |
コムギは倍数化により進化してきたことを特徴とする。本研究は、温帯性冬作の重要作物である6倍性パンコムギの比較ゲノム解析を目的とする。パンコムギで高分子DNAを挿入したゲノミックライブラリーを構築する。このライブラリーから効率よく遺伝子をスクリーニングできるシステムを開発する。さらに、環境に応答して倍数種のゲノム間ででのように遺伝子発現を調節しているか、解析する。熱帯性・夏作のイネとの比較により、イネ科植物でみられる自然変異に分子発生遺伝学的基礎をあたえ、進化のメカニズムの解明をめざす。 本年度の具体的成果は、1)コムギの生活環の代表的な10組織のcDNAクローン116232塩基配列を25971contigに整列化した。これらのうちから、比較的発現量の多い5199contigを選抜し、10組織における遺伝子発現のボディマップを作成した。 2)5199遺伝子のうち3069遺伝子をゲノムあたり単一である、と推定した。これらのうち、90遺伝子についてPyrosequencing法とパンコムギのナリーテトラソーミクス系統を組み合わせることにより、A, B, Dゲノムの座乗染色体を決定した。さらに、10組織による3種ゲノムにおけるゲノム毎の遺伝子発現パターンの特徴を明らかにした。 3)低温・高温、日長、塩・等の非生物的ストレス、またかび病等の病原菌等の生物的ストレスをかけ、cDNAライブラリーを構築した。構築したcDNAライブラリーを総括班に送り、塩基配列を決定している。 4)日長に感応して出穂性を制御するHd遺伝子、および花の形態形成を支配するMADS box遺伝子であるAP1,PISTILATAおよびAGAMOUSをクローニングした。これらの遺伝子の発現パターンの特徴を解析している。
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[Publications] Ogihara, Y., Mochida, K., Nemoto, Y., Murai, K., Yamazaki, Y., Shin-I, T., Kohara, Y.: "Correlated clustering and virtual display of gene expression patterns in the wheat life cycle by large-scale statistical analyses of expressed sequence tags"The Plant Journal. 33(6). 1001-1011 (2003)
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[Publications] Murai, K., Takumi, S., Koga, H., Ogihara, Y.: "Pistillody, homeotic transformation of stamens into pistil-like structures, caused by nuclear-cytoplasm interacton in wheat"The Plant Journals. 29(2). 169-181 (2003)
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[Publications] Meguro, A., Takumi, S., Ogihara, Y., Murai, K.: "WAG, A wheat AGAMOUS homolog, is associated with development of pistil-like stamens in alloplasmic wheats"Sex Plant Reproduction. 15. 221-230 (2003)