2002 Fiscal Year Annual Research Report
ケージド核酸を用いたゼブラフィッシュ胚でのコンデイショナルな遺伝子発現制御
Project/Area Number |
14011253
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
安藤 秀樹 理化学研究所, 発生遺伝子制御研究チーム, 研究員 (10251844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 仁 理化学研究所, 発生遺伝子制御研究チーム, チームリーダー (40183769)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / Bhc-diazo / ケージドmRNA / LH2A / Six3.2 / 脳形成 |
Research Abstract |
我々は当該科学研究費補助金給付を受けた期間で小型魚類ゼブラフィッシュを用いて任意の遺伝子に対応するメッセンジャー(m)RNAを新規なケージド化合物Bhc-diazoで化学修飾し翻訳不能な複合体Bhc-ケージドmRNAの試験管内での合成法を確立した。さらにこれを受精卵に導入し任意の発生段階および部位に瞬間的な紫外線照射を与えることで照射領域のみでBhc基を解離(アンケージ)させ翻訳可能なmRNAに戻しコンデイショナルに当該遺伝子を過剰発現させることに成功した。本法(mRNAケージング法)の特長をさらに活用すべく、脳形成過程で重要な働きをなすとされる複数の遺伝子間相互作用を解明する新しい実験系の稼動を行い、極めて興味深い知見を得ることができた(論文投稿準備中)。まず、我々のチームがゼブラフィッシュで新しくクローン化したLIM-ホメオドメイン型転写因子LH2AをmRNAケージング法によりゼブラフィッシュ胚の頭部で過剰発現させた結果、脳形成が促進される事実が明らかになった。この個体では10数種の脳形成遺伝子候補の発現が影響を受けていることがin situハイブリダイゼーション法で示された。そのため、LH2Aとこれらの遺伝子の具体的相互関係を解明すべく第一段階としてLH2Aとホメオドメイン型転写因子Six3.2の機能的上下関係を明らかにする実験を行った。その結果LH2AのケージドmRNAとSix3.2に対応するアンチセンスモルフォリノオリゴヌクレオチド(MO)を一緒に受精卵に導入し、頭部でアンケージにより過剰発現したLH2A蛋白質がSix3.2MOによるSix3.2蛋白質の発現阻害効果を完全に救出する一方、Six3.2のケージドmRNAとLH2A MOの組み合わせによる対照実験ではSix3.2の頭部過剰発現はLH2Aの発現阻害効果を救出できないことが判明した。以上の結果はSix3.2は脳形成においてLH2Aの機能的上位で働くことを示唆する。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Hideki Ando, Toshiaki Furuta, Hitoshi Okamoto: "Developmant of a new technology to manipulate gene activity by photo-illumination using a new DNA/RNA caging compound, Bhc-diazo"Tanpakushitu Kakusan Kouso. 47(2). 125-132 (2002)