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2002 Fiscal Year Annual Research Report

ゲノム配列の種間・種内比較に基づく進化過程の推定

Research Project

Project/Area Number 14011260
Research InstitutionNara Institute of Science and Technology

Principal Investigator

渡邉 日出海  奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (30322754)

Keywordsゲノム比較解析 / 細胞内共生微生物 / チンパンジーゲノム
Research Abstract

本研究課題において、2つの研究を具体的に行った。ツェツェバエの細胞内共生微生物であるWigglesworthia glossinidiaのゲノムを他の共同研究者と共に決定し、そのゲノム配列を、本研究代表者らが既に決定し報告してあったアブラムシの細胞内共生微生物であるBuchnera APSのゲノム配列(Shigenobu, et al.,2000)と比較し、共生微生物の進化過程についての様々な情報を得た(Akman, et al.,2002)。Buchneraのゲノムは、共生生物としては世界で初めて配列決定されたものであったため、その解析によって明らかになった様々な特徴が共生生物の特徴であると我々は考えた。しかし、系統的にBuchneraに極めて近い関係にあると考えられているWigglesworthiaのゲノムと比較してみた結果、予想に反して、多くの点で異なっていることが明らかになった。例えば、これら2つのゲノムは最も小さい部類に属しているため、その中に存在する遺伝子は生存にとって必要不可欠なものに限られているであろうと考えられていたが、実際には、2者に共通している遺伝子は僅かに7割弱であった。したがって、生物は一定の生活環境に置かれると、その環境に適応するかたちで短期間のうちにゲノムの中身が大きく変わることが明らかになった。もう1つの研究は、チンパンジー22番染色体(PTR22)の高精度配列の決定とそのヒトゲノム配列との詳細な比較解析である。2003年頭にPTR22長腕の高精度配列(約34メガ塩基対)の決定を完了し、対応するヒト21番染色体長腕の高精度配列と比較している。我々は、チンパンジーゲノムとヒトゲノムの塩基配列が平均で1.23%だけ異なっていることを発表したが(Fujiyama, et al.,2002)、長大な染色体配列を比較した結果、塩基置換以外に大きな構造変化が多数発見された。例えば、ヒトに存在する10キロ塩基対に達する配列がチンパンジーには存在しないといった例が見つかっている。現在、これらの中から、ヒトの表現型に影響を与えているものを見つけるための研究を進めている。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] H.WATAMANE: "Construction and analysis of a human-chimpanzee comparative clone map"Tanpakushitsu Kakusan Koso. 47. 808-813 (2002)

  • [Publications] L.Akman: "Genome sequence of the endocellular obligate symbiont of tsetse flies, Wigglesworthia glossinidia"Nat. Genet.. 34. 402-407 (2002)

URL: 

Published: 2004-04-07   Modified: 2016-04-21  

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