2004 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムマッピングと候補遺伝子による日本人2型糖尿病原因遺伝子の同定とその機能解析
Project/Area Number |
14013008
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
門脇 孝 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (30185889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 一雄 東京大学, 医学部附属病院, 科学技術振興特任教員 (50359600)
戸辺 一之 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30251242)
山内 敏正 東京大学, 医学部附属病院, 寄附講座教員(客員助教授) (40372370)
窪田 直人 東京大学, 医学部附属病院, 寄付講座教員(助手相当)
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Keywords | SNP / 相関解析 / 連鎖不平衡 / インスリン抵抗性 / 2型糖尿病 |
Research Abstract |
(1)日本人2型糖尿病遺伝素因の解明:我々が既に同定した計9箇所の日本人2型糖尿病原因遺伝子座(1p36-p32,2q34,3q26-q28,6p23,7p22-p21,9p,11p13-p12、15q13-q21と20q12-q13)についてSNPを利用した患者対照解析を行い、日本人における2型糖尿病感受性遺伝子の同定を行った。染色体1番(1p36-p32)の領域についてはAMPキナーゼα2サブユニット遺伝子(PRKAA2)のイントロン2に存在するSNP(rs2051040)がインスリン抵抗性と有意に相関し(P=0.002)、rs2051040を含むハプロタイプが有意に2型糖尿病と相関を認め(P=0.0032)、本遺伝子が日本人における2型糖尿病感受性遺伝子であることが示唆された(submitted for publication, Diabetes)。また、染色体20番(20q12-q13)については、HNF-4α遺伝子の膵特異的プロモーター(P2プロモーター)に位置するSNPの組み合わせによるハプロタイプが極めて有意に2型糖尿病と相関し、P2領域に糖尿病感受性を真に規定する機能的SNPが存在することが示唆された(submitted for publication, Diabetes)。また、我々が単離・同定し、2型糖尿病鍵分子であることを明らかとしたアディポネクチン受容体(AdipoR1,2)についてSNPを利用した患者対照解析を行って日本人2型糖尿病感受性遺伝子としての意義を検討したが、インスリン抵抗性・2型糖尿病と有意に相関するSNPは認められなかった(accepted for publication, Diabetologia)。 (2)2型糖尿病の発症機序・進展の全体像の解明:動脈硬化のモデル動物であるApoE欠損マウスとアディポネクチン過剰発現マウスを交配したマウスは、ApoE欠損マウスにみられる動脈硬化巣が減少していたことから、アディポネクチンが直接動脈硬化を抑制する作用があることを個体レベルで明らかにした。更に、インスリン感受性ホルモンであるアディポネクチンの特異的受容体を2種類(AdipoR1ならびに2)を世界で初めて単離・同定することに成功した。PI3キナーゼからFoxo1を介したインスリンの細胞内情報伝達経路によってAdipoR1並びにAdipoR2の発現が減少すること、インスリン抵抗性の状態ではアディポネクチン作用が低下することによって生活習慣病を発症・進展させていることを明らかにした(J.Biol.Chem.279:30817-30822,2004)。
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Research Products
(7 results)