2002 Fiscal Year Annual Research Report
シア・ストレス応答性cDNAの包括的単離と動脈硬化における役割の解明
Project/Area Number |
14013040
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山下 静也 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (60243242)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 久豊 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00273681)
|
Keywords | 血管内皮 / shear stress / Rho small GTPase |
Research Abstract |
マイクロビーズ上に培養したヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)にshear stressを負荷して作製した差分化cDNAライブラリーより、低分子量G蛋白質のコンセンサス配列を持ち、Rho familyと非常に高いホモロジーを有するクローン、Recs28を単離した。精製したRecs28の蛋白質にGTPγSは結合するがATPは結合しなかった。また、GTPγSの結合は共存する過剰のGTP、GDPで抑制されるが、ATPでは抑制されず、Recs28はGTP、GDPと特異的に結合することが示された。 Rho familyは種々の細胞で細胞骨格系並びに細胞間接着を制御していることが知られているので、Recs28をHUVEC内に過剰発現させて、この2点について検討した。Recs28またはRecs28の活性型変異体を発現させたHUVECでは、phorbolesterによるstress fiber形成刺激下においても、著しいstress fiberの形成抑制が認められた。一方、Recs28の不活性型変異体にはこの抑制作用は無かった。 monolayerに培養したHUVECにphorbol esterの刺激を加えると、大きな細胞間隙を形成し、形質膜上の同部位でVE-cadherinの消失が見られるが、Recs28を発現させたHUVECのmonolayerでは、光学顕微鏡レベルで見られる細胞間隙は認められず、VE-cadherinも細胞接着面に途切れること無く線状に染色された。 また、HUVECを二重ウェルの膜上に培養し、細胞間隙の指標であるデキストランの透過量を測定したところ、controlのHUVECではphorbol ester刺激により著しく透過性が上昇するのに対し、Recs28を発現させたHUVECでは透過性の上昇は全く見られず、バリア機能は維持されたままであった。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Yoshisue H, Yamashita S, et al.: "A large scale isolation of shear stress-responsive genes from cultured human endothelial cells by preparation of a subtracted cDNA library"Atherosclerosis. 162(2). 323-334 (2002)
-
[Publications] Nojima H, Yamashita S, et al.: "Atherosclerosis : Risk Factors, Diagnosis, and Treatment (Eds : GM Kostner & KM Kostner) Isolation and characterization of non-uniform shear stress-responsive genes, RECS"Monduzzi Editore. 221-225 (2002)