2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14015202
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
齋藤 稔 弘前大学, 理工学部, 教授 (60196011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 功 弘前大学, 理工学部, 講師 (60332491)
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Keywords | 蛋白質 / 熱安定性 / 天然状態 / 変性状態 / 分子動力学シミュレーション / 自由エネルギー計算 / アミノ酸置換 |
Research Abstract |
変性状態の立体構造を明らかにすることは、実験的手法のみでは困難である。本研究の特色は、熱安定性の実験結果と申請者が開発してきた高い信頼性の計算機実験を組み合わせることにより、変性状態の立体構造を予測することにある。蛋白質の熱安定性の実験的研究は、蛋白質のあらゆるアミノ酸について網羅的に行われるようになって、実験データは大量にデータベースに蓄積されている。一方、申請者の計算機実験は、フィッティングパラメターを一切用いずに、変性剤による熱安定性の実験結果と良く一致した結果を与えた。このとき、変性状態の構造として置換を行うアミノ酸周辺からなる短いペプチドを仮定した。したがって、変性剤による変性状態は、蛋白質によらず高次構造が完全にほどけていることが示唆された。一方、熱変性による変性状態は、やはり立体構造がわかっていないものの、部分的に立体構造が残っているらしいことが、断片的な実験データから示唆されている。 筆者らは、熱変性による熱安定性の実験データが豊富なヒトリゾチームについて、熱安定性から変性状態の構造を推測する研究を行った。まず、筆者らは、ヒトリゾチームのV100T変異体の熱安定性は、熱変性と変性剤変性とで異なる結果になることを計算で予測した。予測が正しいことが、高野(阪大)による実験から実証された。その結果、熱変性状態では、V100周辺のアミノ酸は天然状態に近い立体構造をとっていることが明らかになった。更に、ヒトリゾチームの熱変性状態の全体像を得るために、天然構造のヒトリゾチームに対して高温で長時間のシミュレーションを行って徐々に変性させた。得られた構造を変性状態のモデルとして、熱安定性の計算を行っている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Saito M, Sarai A: "Free energy calculations for the relative binding affinity between DNA and γ-repressor"PROTEINS. (in press). (2003)
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[Publications] 斎藤稔: "化学フロンティア8、生体系のコンピュータ・シミュレーション"化学同人. 262 (2003)