2002 Fiscal Year Annual Research Report
嗅球に対する嗅神経細胞のトポグラフィックな軸索投射の分子機構
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14017017
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坪井 昭夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (20163868)
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Keywords | 神経回路 / 嗅覚系 / トポグラフィックマップ / 嗅覚受容体遺伝子 / 神経軸索投射 / 遺伝子発現制御 / 発生と再生 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
1)嗅球におけるトポグラフィックな糸球マップの解析:申請者はこれ迄に、染色体上で同一クラスターに属し、且つ、相同性の高い嗅覚受容体遺伝子は、嗅上皮の同じゾーン内で発現し、それら発現細胞は嗅球上で近接した糸球に軸索を投射する傾向にあることを示した(Tsuboi et al., J.Neurosci.19,1999)。この観察は、最近の嗅球のイメージング解析より得られた"特定の官能基を有する匂い分子は、嗅球表面において局所的なドメイン内の糸球を興奮させる"という知見を勘案すると、類似した匂い分子はその官能基を介して、相同性の高い嗅覚受容体群により受容され、嗅球上の特定のドメインに属する糸球を興奮させると考えられる。そこで私共は、マウス嗅覚受容体遺伝子MOR28クラスター(Nagawa et al., Gene 292,2002)を含めた複数のクラスターに関して、受容体遺伝子を発現する嗅細胞の軸索投射先を解析した結果、"同一クラスター上に存在し、相同性の高い嗅覚受容体遺伝子を発現する嗅細胞は、類似した匂い分子を受容し、嗅球においては局所的な糸球ドメインに軸索投射すること"が示唆された。 2)嗅上皮で領域特異的に発現する遺伝子の解析:嗅上皮で発現する嗅覚受容体遺伝子は、四つのゾーンの中のいずれか一つに限定して発現しており、嗅上皮におけるゾーンに対応して、嗅細胞の投射先である嗅球にも四つのゾーンの存在が知られている。そこで、嗅細胞の特異的な軸索投射の第一段階であるzone-to-zoneの対応を解明する為、嗅上皮で領域特異的に発現する遺伝子をdifferential display法を用いて探索したところ、これ迄に複数の候補遺伝子が得られたので、それらの機能について解析している。また、このスクリーニングの過程で単離された新規因子stomatin-related olfactory proteinは、嗅上皮の嗅細胞でのみ特異的に発現しており、嗅覚シグナル伝達に関与している可能性が示唆されているので(Kobayakawa et al., J.Neurosci.22,2002)、現在ノックアウトマウスを作製しその機能解析を進めている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kobayakawa, K.: "Stomatin-related olfactory protein, SRO, specifically expressed in the murine olfactory sensory neurons"The Journal of Neuroscience. 22・14. 5931-5937 (2002)
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[Publications] Nagawa, F.: "Genomic analysis of the murine odorant receptor MOR28 cluster : a possible role of gene conversion in maintaining the olfactory map"Gene. 292・1-2. 73-80 (2002)
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[Publications] Tsuboi, A.: "Molecular basis of neural circuit formation in the mammalian olfactory system"The Japanese Journal of Taste and Smell Research. 9・1. 43-50 (2002)
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[Publications] Oka, Y.: "O-MACS, a novel member of the medium-chain acyl-CoA synthetase family, specifically expressed in the olfactory epithelium in a zone-specific manner"The European Journal of Biochemistry. (in press). (2003)