2002 Fiscal Year Annual Research Report
Perl形質導入動物を疾患モデルとした概日リズム光同調能失調の分子機構の解析
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14017018
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
程 肇 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (00242115)
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Keywords | 時計遺伝子 / Period 1 / 視交叉上核 |
Research Abstract |
生物には概日リズムとよばれる、行動や生化学的活動を支配する24時間に近い周期を持つ活動リズムが見い出される。哺乳類の場合、概日時計中枢は脳視床下部の視交叉上核(SCN)に存在し、SCNの日周性を伴った神経活動出力、或いは、液性因子の分泌により末梢組織を支配して概日リズムを形成している。リズム障害の発症機構の詳細な解明と治療法や治療薬の開発には、(1)概日時計中枢と末梢組織の計時情報の細胞レベルでの簡便な計測系、及び、(2)ヒトの概日リズム障害の有用な疾患モデルの利用が必須であると考えられる。哺乳類の時計遺伝子period1(Per1)の転写翻訳産物量は、マウスSCNで明暗及び恒暗条件下、明期で高く暗期に低い自律的な日周変動を示した。そこでPer1の発現をin vivoでモニターするためにPer1::1uc融合遺伝子のトランスジェニックマウスとラットを作製した。得られたper1::1uc動物のSCNスライス培養系では、luciferase活性が約2ヶ月間約24時間の周期で発現振動した。最近、マウス及びラットの繊維芽細胞にこの融合遺伝子を形質転換し、luciferase発現日周リズムを誘導する培養方法及び条件を決定した。そして、luciferase活性日周振動(周期長、振動周期数、相対的位相等)に影響を与える分子の検索を行った次に、Per1を強力なプロモータにより強制発現させたトランスジェニック動物を作製した。Per1形質導入体の行動及び体温リズム周期は、長周期型または無周期型になり、さらに光同調性を失っていた。現在、Per1::1uc ; NSE::Per1変異体SCN及び各種末梢組織のluciferase活性日周振動(周期長、振動周期数、相対的位相等)に影響を与える分子の検索並びに、変異体における生理学的症状の解析を進めている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Abe M, Herzog ED, Yamazaki S, Straume M, Tei H, Sakaki Y, Menaker M, Block GD: "Circadian rhythms in isolated brain region"J.Neuroscience. 22. 350-356 (2002)
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[Publications] Yamazaki S, Straume M, Tei H, Sakaki Y, Menaker M, Block GD: "Effects of aging on the circadian rhythms of central and peripheral mammalian clocks"Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 99. 10801-10806 (2002)
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[Publications] Constance CM, Green CB, Tei H, Block GD: "Bulla gouldiana period exhibits unique regulation at the mRNA and protein levels"J.Biol.Rhythms. 17. 413-427 (2002)
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[Publications] Kojima S, Hirose M, Tokunaga K, Sakaki Y, Tei H.: "Structural and functional analysis of 3' untranslated region of mouse Period1 mRNA"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 301. 1-7 (2003)