2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14017070
|
Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
椛 秀人 高知医科大学, 医学部, 教授 (50136371)
|
Keywords | 学習 / 嗅球 / 相反性相互シナプス / グルタミン酸受容体 / 長期増強 / ノルアドレナリン / CREB / タンパク質キナーゼ |
Research Abstract |
1.フェロモン記憶の電気生理学的相関:副嗅球のスライス標本を用いて、僧帽細胞から顆粒細胞への興奮性シナプス伝達に入力特異的に長期増強(LTP)が誘導される。このLTPはNMDA受容体依存性に成立し、ノルアドレナリン(NA)により促進された。1982年に記憶形成におけるNAの関与が証明されたのであるが、そのメカニズムは不明のまま約20年の歳月が流れた。本研究で我々は、LTPにおけるNAの作用メカニズムを明らかにした。すなわち、NAはα_2受容体を介してLTP誘導を促進することが判明した。 2.幼若ラットにおける匂い学習の分子メカニズム:副嗅球の働きで成立するフェロモン記憶の特性を充分に理解するためには、シナプスと分子の両レベルのメカニズムに関して、主嗅球の働きで成立する記憶学習と何が同じで、何が異なるかを知ることが非常に重要である。この観点に立って我々は、比較研究の優れたモデル系として幼若ラットにおける匂い学習を解析してきた。この匂い学習成立にMAPK/ERKなどのタンパク質キナーゼ、CREBの発現とそのリン酸化が関わることを明らかにした。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Okutani, F.: "Non-specific olfactory aversion induced by intrabulbar infusion on the GABA_A receptor antagonist bicuculline in young rats"Neuroscience. 112. 901-906 (2002)
-
[Publications] Zhang, J.-J.: "Activation of the cyclic AMP response element-binding protein signaling pathway in the olfactory bulb is required for the acquisition of olfactory aversive learning in young rats"Neuroscience. 117. 707-713 (2003)
-
[Publications] 椛 秀人: "フェロモンを感じる:受容体から行動まで"細胞工学. 21. 1444-1447 (2002)
-
[Publications] 椛 秀人: "アロマ サイエンス・シリーズ21「においと脳・行動」"フレグランスジャーナル(印刷中). (2003)