2002 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病克服をめざしたアミロイドセクレターゼ制御分子のデザインと合成
Project/Area Number |
14017089
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
木曽 良明 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (40089107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 徹 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (70204980)
林 良雄 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (10322562)
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Keywords | 酵素阻害剤 / 老化 / アルツハイマー病 / ドラッグデザイン / セクレターゼ / アスパラギン酸プロテアーゼ / アミロイド産生 |
Research Abstract |
近年のアルツハイマー病研究の進展により,α-,β-およびγ-セクレターゼがアルツハイマー病の発症に重要な役割を果たすことがわかってきた.これらの酵素はお互いに相関しながらアミロイド前駆体蛋白質(APP)に働き,老人斑の原因となるアミロイドβ-ペプチド(Aβ)の蓄積を起こす.そこで,これらの酵素活性を制御することにより,アルツハイマー病の予防あるいは治療が可能であると考えた. 我々は,アスパラギン酸プロテアーゼの基質遷移状態概念に基づいて,高血圧治療剤としてのレニン阻害剤,エイズ治療薬としてのHIVプロテアーゼ阻害剤,マラリア治療薬としてのプラスメプシン阻害剤のデザインと合成に成功した. アルツハイマー病発症に重要な役割を果たすα-,β-およびトセクレターゼもプロテアーゼであるので,同様の方法論で制御分子のデザインを効率良く行えると予想した.また,セクレターゼの場合これら3種類の酵素がお互いに相関しながら,阻害と活性化が進行して複雑にアミロイド産生していると考えられたので,アミロイド産生を抑制のために,酵素の分子認識に基づいて阻害剤のみならず活性化物質も探索した. その結果,オクタペプチドKMI-008が,高いβ-セクレターゼ阻害活性を示した.アミロイド前駆体蛋白質とBACE1をトランスフェクションした培養細胞にKMI-008を投与すると、βセクレターゼの分解物の分泌量が低減することを確認した。 アルツハイマー病治療薬として現在,アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が認可されているが,酵素の分子認識に基づいて制御物質をデザインする方法論は,耐性が生じた場合の克服法にも応用できると期待できる.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Ei'ichi Ami: "Synthesis of novel amino acid, L-bis-tetrahydrofuranylglycines"Tetrahedron Letters. 43・16. 2931-2934 (2002)
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[Publications] 木曽良明: "新しいHIVプロテアーゼ阻害剤 大量投与や薬剤耐性などの問題克服をめざして"医学のあゆみ. 201・4. 231-235 (2002)
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[Publications] Yoshio Hamada: "New water-soluble prodrugs of HIV protease inhibitors based on O→N intramolecular acyl migration"Bioorg.Med.Chem.. 10・12. 4155-4167 (2002)
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[Publications] 相馬洋平: "水溶性プロドラッグ"化学工業. 53・6. 465-471 (2002)
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[Publications] S.Rajesh: "An expedient synthesis of Na^α-protected-L-tetrahydrofuranylglycine and its application in the synthesis of novel substrate based inhibitors of HIV-1 protease"Bioorg.Med.Chem.Lett.. 12・24. 3615-3617 (2002)
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[Publications] Koushi Hidaka: "Design and synthesis of pseudo-symmetric HIV protease inhibitors containing a novel hydroxymethylcarbonyl (HMC)-hydrazide isostere"Bioorg.Med.Chem.Lett.. 13・1. 93-96 (2003)
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[Publications] Kenichi Akaji: "Methods of organic Chemistry ; Vol.E22b, Synthesis of Peptides and Peptidomimetics"Georg Thieme Verlag. 785 (2002)