2002 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚感覚インターフェースデバイスの開発と皮膚感覚情報処理の解明
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14019022
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
篠田 裕之 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教授 (40226147)
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Keywords | 触覚センサ / 皮膚感覚ディスプレイ / ハプティックインターフェース / 二次元通信 / ロボティックス / マルチモーダルインターフェース / PUI / 放射圧 |
Research Abstract |
本年度は皮膚感覚インターフェースの二つの要素技術,すなわち皮膚感覚のセンシングとディスプレイの基礎技術を研究した.センシングについては柔軟な2次元通信層を介して多数のマイクロチップから信号を読み出す技術を提案し,通信プロトコルとCMOSプロセスによるアナログ・デジタル混載通信回路の実現方法を確立した.また微小素子上での触覚センシングの基本原理をプロトタイプによって確認した.触覚ディスプレイについては紙数の都合から詳述はできなかったが,放射圧を用いた新しい原理のデバイスを検討している.放射圧とは,対象面に照射される超音波のエネルギーに比例して発生する定常的な圧力であり,例えば10^4Paの音波によって1cm角あたり10gf程度の圧力が発生する.超音波の波長は1mm以下に設定でき,その波面を人間の触覚の帯域に比べ十分高速に制御することがきるから,放射圧を用いれば,入力信号通りに皮膚上の圧力を高分解能で制御することが可能と考えられる.我々は熱誘起超音波デバイスという新しい原理の超音波発生方法を研究しており,今年度の実験によって1mm角以下の微細な素子から1kPaを越える非常に強力な空中超音波を発生可能であることが確認された.現在はこの超音波強度をさらに一桁高めることにより,超音波の放射圧によって皮膚表面に圧力分布を与え,触覚を誘起する研究を進めている.また同時にもう一つのアプローチ,すなわちコンポジット層により空気とのインピーダンス整合をとり,従来型の圧電素子から強力空中超音波を発生させる振動子についても試作を進めており,いずれかの方式が必要条件を満たした段階で触覚ディスプレイへの適用へと移行する予定である.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Mitsuhiro Hakozaki: "Digital Tactile Sensing Elements Communicating through Conductive Skin Layers"Proc.2002 IEEE Int.Conf.on Robotics & Automation. 3813-3817 (2002)
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[Publications] Mitsuhiro Hakozaki: "A Sensitive Skin with Conductive Communication Layers"Proc.IEEJ 19th Sensor Symposium. 477-482 (2002)
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[Publications] Kouichi Yamada: "Wire-Free Tactile Sensing Element Based on Optical Connection"Proc.IEEJ 19th Sensor Symposium. 433-436 (2002)
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[Publications] Yoshiharu Tojo: "A Study on Tactile Resolution of Human Skin"Proc.SICE 2002. 3137-3139 (2002)
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[Publications] 篠田 裕之: "接触センシングの現状と今後の展開"日本ロボット学会誌. 20・4. 385-388 (2002)
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[Publications] Hiroyuki Shinoda: "Two-Dimensional Signal Transmission Technology for Robotics"Proc.2003 IEEE Int.Conf.on Robotics & Automation. (5月に掲載予定). (2003)