2002 Fiscal Year Annual Research Report
PPARγを標的としたB細胞機能活性化による抗原特異的免疫応答増強法の開発
Project/Area Number |
14021027
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三崎 義堅 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60219615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川畑 仁人 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (70334406)
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Keywords | PPARγ / 核内転写因子 / B細胞 / Th1型免疫応答 / インターフェロンγ / 免疫応答増強 / NFκB |
Research Abstract |
ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体γ (Peroxisome proliferator-activated receptor-γ : PPARγ)は、主に脂肪細胞分化と糖代謝に関わると考えられているステロイドホルモン核内受容体スーパーファミリーに属する核内転写因子である。リンパ球にもこの分子が発現しているが、その機能は明確でなかった。 我々は、このPPARγ欠損マウスを作成し、そのヘテロ接合体(以下PPARγ+/-)(変異アリルのホモ接合体は致死)脾臓B細胞において、NFκBの核内移行が亢進し、増殖応答亢進、アポトーシス遅延を示すことから、B細胞機能にPPARγが深く関わっていることを見出した。また抗原特異的免疫応答はT細胞増殖試験で8-15倍、特異的抗体価で3-4倍と増強されていた。そこでPPARγ機能を修飾することにより、抗原特異的免疫応答を増強する手法が開発可能であると考えられ、免疫系細胞におけるPPARγの役割を検討することにした。 PPARγ+/-由来T細胞は、in vitro抗原刺激培養すると、+/+由来T細胞と比較して、それぞれPPARγ+/+由来脾樹状細胞上においては約2倍、+/-由来上では約5倍のインターフェロンγ(以下IFNγ)を産生することが認められた。なお、IL-2、IL-4産生については明確な変化は認められない。従って、PPARγ発現量の減少は、T細胞においてINFγの誘導を増強することが明かとなった。現在、今後IFNγレセプター信号伝達系にPPARγが及ぼす影響を中心に解析を進めていく。 以上の結果は、細胞障害性T細胞誘導も期待できるTh1型免疫応答で、かつ抗体産生も増強されるという、感染症に対するかなり理想に近い抗原特異的免疫応答増強法が、PPARγという一つの分子を標的にすることで、達成可能であることを示唆すると考えられる。
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[Publications] Kawahata K, Misaki Y et al.: "Generation of CD4(+)CD25(+) regulatory T cells from autoreactive T cells simultaneously with their negative selection in the thymus"J. Immunology. 168(9). 4399-4405 (2002)
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[Publications] Kawahata K, Misaki Y et al.: "Peripheral tolerance to a nuclear autoantigen : dendritic cells expressing a nuclear autoantigen lead to persistent anergic state"J. Immunology. 168(3). 1103-1112 (2002)
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[Publications] Setoguchi K, Misaki Y et al.: "Peroxisome proliferator-activated receptor-gamma haploinsufficiency enhances B cell proliferative responses"J. Clin. Invest. 108(11). 1667-1675 (2001)
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[Publications] Misaki Y, Ezaki I et al.: "Gene-transferred oligoclonal T cells predominantly persist in peripheral blood from an adenosine deaminase deficient patient"Molecular Therapy. 3(1). 24-27 (2001)