2002 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルスワクチン開発のためのCD81の構造生物学的研究
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14021052
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北所 健悟 京都大学, 低温物質科学研究センター, 助手 (60283587)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / 膜4階貫通型タンパク質Tetrasapnin / CD81タンパク質 / X線構造解析 / ウイルスレセプター / ワクチン開発 / タンパク質結晶化 / HCV結合部位 |
Research Abstract |
C型肝炎は世界の人口の約3%にあたる1億7千人もの人々に感染するウイルス性の病気であリ、肝臓における主たる病気となっている。C型肝炎ウイルス(HCV)の存在は以前より知られているが、その感染や発症のメカニズムついてはよく理解されていない。PileriらはHCVのエンベロープ蛋白質(E2)がヒトの細胞表面抗原レセプターであるCD81分子の細胞外ドメイン(LEL)に結合することを見出した。CD81分子は236個のアミノ酸からなる4回膜貫通型の膜蛋白質であり、2つの細胞外領域(LEL ; Large Extracellular LooP,およびSEL ; Small Extracellular Loop)と3つの細胞内ドメインおよび4つの膜貫通疎水性領域から形成されている。CD81のLEL/SEL複合体結晶については、SELの共存下でLELの結晶化スクリーニングの信果、MPDを沈殿剤とした場合に、以前得られた2種類のLEL結晶とは全く晶系の異なる結晶が得られた。これを用いてSpring-8にて2.0Å分解能のX線回折データを収集した。この結晶は、晶系がRhombohedralに属し、a=b=61.4,c=144.2Åであり、2.0Å分解能までのデータで、Rsymが6.2%,Completenessが99.5%であった。この強度データを基に、LEL部分のモデル座標を用いて分子置換法により、立体構造決定を行った。その結果、SEL部分であると考えられる30残基のアミノ酸に相当する電子密度がはっきりと得られており、現在、この電子密度部分に対してモデルビルディングを行っている。 CD81-LELは5つのα-ヘリックス(A-E)からなり、2量体の形成に関与するStalkサブドメイン(A,B,Eヘリックス)とHCVの結合に関与するHeadサブドメイン(C,D)からなる。SEL部分と考えられる電子密度部分は、C,Dヘリックスに対して垂直な位置に存在してLELと相互作用し、またE-ヘリックスの一部とも相互作用していた。この際、HCVの結合に必須であるPhe186残基は、SELとは結合せず溶媒側に突出して存在し、結晶内で他の対称な分子とパッキングしていた。従って、SEL/LEL複合体の立体構造からも、このPhe186残暮のHCVに結合する重要な部位であると考察できる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 北所健悟: "C型肝炎ウイルスレセプターCD81の細胞外ドメインの立体構造"生物物理学会誌. 240. 75-78 (2002)
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[Publications] 北所健悟: "C型肝炎ウイルスレセプターCD81の構造生物学"京都大学低温物質科学研究センター誌. (2003)
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[Publications] Kitadokoro K.: "Subunit association and conformational flexibility in the head subdomain of human CD81 large extracellular loop"Biol. Chem.. 9. 1447-1452 (2002)
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[Publications] Kitadokoro K.: "X-ray structural analysis of the tetraspanin CD81 long extracellular loop complex with small loop"Spring-8 User Experiment Report. 9. 174-174 (2002)
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[Publications] Kitadokoro K.: "Structural flexibility of human CD81 large extracellular loop.a receptor for HCV envelope E2 glycoprotein"第2回あわじしま感染症・免疫フォーラム講演予稿集. 平成14年. 001-001 (2002)