2003 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞と微生物の相互作用による自然免疫系の活性化とその調節機構の解明
Project/Area Number |
14021110
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小安 重夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90153684)
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Keywords | ノックアウトマウス / Th1 / IL-12 / Th2 / リーシュマニア / 樹状細胞 |
Research Abstract |
Lieshmania majorの感染制御にはTh1反応が必須である。この系を用い、Th1/Th2の分化において重要な遺伝的背景を担う細胞が樹状細胞(Dendritic cell:以下DC)であることを明らかにした。同一のMHCを持ちながらもTh1反応が優位に起こることが知られるB10.D2マウスはL.major感染においてTh1反応が誘導され感染を制御できるが、BALB/cマウスにおいてはTh2反応が誘導され感染を制御できない。そこで、B10.D2バックグラウンドのrag2 KOマウスと、BALB/cバックグラウンドのrag2 K0マウスを用い、Th1/Th2の決定にかかわる遺伝的背景がどのような細胞によつて担われるかを検討した。B10.D2バックグラウンドとBALB/cバックグラウンドのrag2 KOマウスのどちらにおいても、B10.D2マウスの骨髄を移植した場合にはTh1反応が誘起され、L.majorの感染を制御できたが、BALB/cマウスの骨髄を移植した場合にはTh2反応が誘起され、L.majorの感染を制御できなかつた。B10.D2バックグラウンドのrag2 KOマウスに成熟T細胞を移植する実験においては、BALB/cマウスの成熟T細胞を移植した場合でもB10.D2マウスの成熟T細胞を移植した場合と同様にTh1反応が誘起され、L.majorの感染を制御できた。これらの一連の実験から、Th1反応とTh2反応の優位性を決定する遺伝的背景がマクロファージやDCなどの抗原提示細胞によって担われることが明らかになった。さらに、B10.D2バックグラウンドのrag2 KOマウス由来の抗原提示細胞にL.majorのpromastigoteをin vitroで感染させた後に野生型のBALB/cマウスに接種するとTh1反応が誘起され、L.majorは排除された。この際に、抗原提示細胞から磁気ビーズ法を用いてDCのみを特異的に除去すると、Th2型の反応が誘起されL.major排除されなかった。これらの結果は抗原提示細胞の中でもDCがTh1/Th2分化を決定することを強く示唆する。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Suzue, K., et al.: "In vivo role of IFN-γ produced by antigen presenting cells in early host defense against intracellular pathogens."The European Journal of Immunology. 33. 2666-2675 (2003)
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[Publications] Esashi, E., et al.: "A possible role for CD4^+ thymic macrophages as professional scavengers of apoptotic thymocytes."The Journal of Immunology. 171. 2773-2777 (2003)
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[Publications] Suzuki, H., et al.: "PI3K and Btk differentially regulate B cell antigen receptor mediated signal transduction."Nature Immunology. 4. 280-286 (2003)
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[Publications] Nakaoka, Y., et al.: "Activation of gp130 transduces hypertrophic signal through interaction of scaffolding/docking protein Gab1 with tyrosine phosphatase SHP2 in cardiomyocytes."Circulation Research. 93. 221-229 (2003)