2002 Fiscal Year Annual Research Report
偏性細胞内寄生原虫トリパノソーマの生き残り・宿主支配としてのアポトーシス抑制
Project/Area Number |
14021115
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
嶋田 淳子 順天堂大学, 医学部, 講師 (20211964)
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Keywords | トリパノソーマ / 細胞内寄生 / アポトーシス抑制 / Fas / cFLIP / DNAマイクロアレイ |
Research Abstract |
1. Trypanosoma cruzi感染による宿主細胞のアポトーシス抑制機構を解明するため、感染、非感染細胞におけるアポトーシス関連遺伝子の転写レベルの差異をDNAマイクロアレイ法により解析した。T.cruzi感染細胞では、insulin-like growth factor結合タンパク質5、6、mitogen-activated protein kinase、cellular FLICE inhibitoly protein(cFLIP)遺伝子の発現が増加し、GAPDH、アクチン、p53、cyclinD2遺伝子の発現が減少していた。また、Fasによりアポトーシスを誘導すると、アポトーシスを誘導する遺伝子群、抑制する遺伝子群両者の発現が上昇した。この中で、アポトーシス初期抑制因子として知られるcFLIPに着目した。 2. cFLIPのmRNAレベルはT.cruzi感染により上昇し、Fas刺激後、alternative splice variantsの転写が増加していた。cFLIPの全長をコードするcFLIP_LmRNAの他に、variantsとしてFLAME1および低分子量のパンドが検出された。しかしながら、タンパク質としてはcFLIP_Lのみが発現しており、そのタンパク質含量は非感染細胞に比べ感染細胞ではおよそ11倍増加していた。またsiRNAによりcFLIP_Lのノックダウンを試みたところ、siRNA導入感染細胞群ではcFLIPタンパク質の発現量は非導入コントロールと比較し、およそ60%まで減少した。この時、Fasによりアポトーシスを誘導すると、siRNA導入感染細胞群ではアポトーシス抑制はかなり解除された。 3. ラットにT.cruziを感染させ、動物モデル系を作製している。急性期モデルはすでに完成し、心臓組織切片を作製した。現在、慢性期の病態を確立中である。
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Research Products
(1 results)