2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14023107
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
大網 功 東洋大学, 工学部, 教授 (20058069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 雅嗣 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (80198473)
蔵原 清人 工学院大学, 工学部, 教授 (50178092)
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Keywords | 念仏尺 / 京枡に使われた物差し / メートル法の基礎 / 18世紀末の子午線測定 / 江戸時代の古分銅 / 江戸時代の長さ / 江戸時代の度量衡 / 計量器の歴史 |
Research Abstract |
1.本年度研究経過:(1)メートル法の基礎となった子午線に関わる古典書、Mechain et Delambre : Base dusysteme metrique decimal. Paris(1806-10)を購入。西田が渡仏して、メートル法の基礎となったドランブルとメッシェンの子午線測定に関わる調査を行った。(2)京都市歴史資料館から京枡の基準枡、御本枡1升を借用し、実測した。沖縄県立博物館、四日市秤乃館、福井市立郷土歴史博物館等の古枡、古尺を実測した。(3)古分銅の質量測定のため、メトラーの電子天秤(マスコンパレーター)を購入。科学博物館新宿分館へ設置。(4)オランダ古典書:Schouwtoneel der Natuur(プリーシュ:「自然の景観」の蘭訳)を購入。温度計に関する項目を高田が閲読し、江戸時代後期、平賀源内が温度計を製作したときに使われた液体はアルコールであると推論した。 2.研究成果:(1)西田の調査結果:メッシェンとドランブルの子午線測定に用いた測定器は目盛りは精密であったが、望遠鏡の口径が小さく、実際の観察に多大の困難があることが判明。この子午線測定の再現性は検討を要する。(2)科学博物館保管の古分銅の測定結果:各分銅の補正値は呼称値の0.0011%〜0.019%にとどまったが、浮力補正は未着手であるため、分銅全体としての不確かさの評価は次年度に期待される。(3)古尺、古枡の測定結果:(1)京枡(御本枡を除く)の実測を基に物差し1尺の長さを導出。枡に刻まれた枡の口広の長さ(縦と横の長さ)や深さの値と実測値の対応関係から1尺の長さを導出する。導出された1尺の長さについて統計的仮説検定を行った。有意水準2%で平均値の異なる2つの母集団が推定される。(2)江戸時代後期に広く使われた念仏尺の1尺の長さ。今までに実測された念仏尺8本(内、曲尺相当3本、鯨尺相当5本)の解析から、1尺の長さは曲尺相当と鯨尺相当の両念仏尺共に有意水準2%で平均値の異なる2つの母集団が推定される。
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Research Products
(6 results)