2005 Fiscal Year Annual Research Report
蝋管等の古記録媒体の音声表現に関する非接触的手法の開発と活用に関する研究
Project/Area Number |
14023109
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
清水 康行 日本女子大学, 文学部, 教授 (00148074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊福部 達 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (70002102)
吉良 芳恵 日本女子大学, 文学部, 教授 (80318584)
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Keywords | 音響情報工学 / 科学技術史 / 日本語学 / 言語学 / 日本史 |
Research Abstract |
前年度までの成果を踏まえつつ、以下の研究・調査活動を展開し、所期の研究目的を達成させた。 1.蝋管記録音声再生に関する非接触的手法の開発:前年度までに開発した接触式(加速度センサ法)と非接触式(レーザビーム反射法)との両方式による携帯型蝋管再生装置に更なる改良を施し、軽量化(本体約4kg、ケース込み約6kg)と再生音質の向上とに成功し、装置を完成させた。 2.国内外の博物館等における蝋管等の古記録媒体の所蔵状況調査:国内に関しては、前年度に引き続き、全国の博物館等に対し、蝋管・初期平円盤等の所蔵状況の通信調査を行ない、回答結果を整理し、古記録媒体所蔵データベースを構築した。蝋管および関連資料を有する複数の施設に対する訪問調査を行ない、大阪歴史博物館(大阪府)その他で、興味深い資料を得た。国外に関しては、前年度までに明らかにした1900年パリ、1901年ウィーンで録音された日本語音声資料群に関し、それぞれの音源所蔵機関および関連資料所蔵機関に対する訪問調査を行なった。また、国際音響映像アーカイブズ協会大会(バルセロナ)に出席し、知見を広めることができた。 3.蝋管等からの再生音声表現に関する言語史的・文化史的分析:2で述べた欧州録音の日本語音声資料および既発見の初期録音資料群を用い、20世紀初頭の東京方言および諸地域方言に関する記述的調査を進めた。それらの録音の吹込者の特定や録音の背景についての調査も行なった。 そして、平成17年10月から11月にかけ、国外の音源所蔵機関研究者等も交え、ワークショップとシンポジウムを連続開催し、本研究成果の一部を公開し、多くの反響を得た。 なお、本研究・調査活動の過程で、大型蝋管や劣化の著しい蝋管等についての新たな保存・再生方法の確立、さらに、これら貴重な音源資料を扱うアーカイブズの創設の必要を痛感した。本研究の継続と発展を期するものである。
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Research Products
(5 results)