2002 Fiscal Year Annual Research Report
日本実業史博物館構想のもとに収集された産業経済資料の基礎的研究
Project/Area Number |
14023231
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
丑木 幸男 国文学研究資料館, 史料館, 教授 (60223525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 聖文 国文学研究資料館, 史料館, 助手 (70353414)
青木 睦 国文学研究資料館, 史料館, 助教授 (00260000)
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Keywords | アーカイブス / 博物館 / 史料学 |
Research Abstract |
本研究は、国文学研究資料館史料館が所蔵する渋沢敬三による「日本実業史博物館」構想のもとに収集された産業経済資料約25,000点以上にのぼるコレクションの中から、我が国の近代黎明期における産業経済の技術に関する様々な「器物資料」を中心にモノ情報の調査を実施するとともに特定のコレクション意図を探求・分析する基礎的研究を行い、以下の3点を解明することを目的とする。 1.渋沢敬三は日本実業史博物館を構想するにあたり、特に江戸時代に焦点をあてた「近世経済史展覧室」の重要性を強調し、当該期の経済状況を具体的に表す資料の収集に取り組んだ。その意図を示すモノ資料の情報を調査し、性格を明らかにする。 2.実際的なコレクション主体となる組織が作成した昭和14年カード目録と現在の残存資料との照合を行い、所在確認のデータを採録する。 3.実証的に資料自体のモノ情報に関する測定データを画像とともに蓄積し、ビジュアルな情報提供の基盤を整備する。 以下に平成14年度の研究の具体的内容を次に簡潔にまとめる。 1.調査と共同研究会の開催-日本実業史博物館準備室旧蔵資料とともに渋沢敬三が組織的に収集したアチック・ムージアム旧蔵資料(国立民族学博物館)の研究状況と情報化の現状に関する研究会を11月22日に開催した。内容は、近藤雅樹(国立民族学博物館)「博物館と渋沢敬三-その理念と実践-」、五十嵐卓(渋沢史料館)「渋沢敬三が描いた日本実業史博物館」、加藤聖文(史料館)「日本実業史博物館コレクションのアーカイブズ学的検討」、青木睦(史料館)「昭和15年明治大正昭和経済文化展覧会と日本実業史博物館コレクション」「日本実業史博物館収集資料・アーカイブズのデータベース化」、田島達也(北海道大学助教授)「日本実業史博物館コレクション(絵画)の紹介」である。 2.コレクションの生成過程を記した情報についての記録化と画像蓄積-資料のデータ作成、記録・画像のデータのコンピュータ入力を実施した。今後の資料分析に向け、3月14日には、伊達仁美(京都造形芸術大学)「生活資料の調査方法の現状について」、青木睦(史料館)「日本実業史博物館旧蔵モノ資料の調査と保存管理」の研究会を開催した。
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