2002 Fiscal Year Annual Research Report
染色体2番欠失マウスはがんを発症する〜新しいがん家系マウスでがん抑制遺伝子を探索
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14026032
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
新田 由美子 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (60171964)
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Keywords | 放射線発がん / 急性骨髄性白血病 / マウス / がん抑制遺伝子 / 染色体2番欠失 / Pax 6 / Wt 1 / 小腸腺がん |
Research Abstract |
放射線誘発のマウス急性骨髄性白血病(AML)と、染色体2番中間部の欠失との関係を明らかにする目的で、染色体2番欠失ミュータントマウスを用い、発がん実験を行い、がん関連遺伝子の同定を試みた。 I.ミュータントマウスの染色体欠失マッピング 染色体2番中間部の欠失ミュータントマウス3系統について個々の欠失領域を特定した。D2Mit15(49.3cM)の隣接部位(44.0cM〜63.5cM)のSTSマーカーを計50種選択し、欠失マッピングを行った。1系統マウスはD2Mit15を含む領域を欠失し、2系統の小眼球症マウスは、50〜51.4cMを共通に欠失していた。 II.ミュータントマウスの白血病誘発試験 II-1.Del(2)Sey3Hの放射線に対する感受性を検討した。Del(2)Sey3Hミュータントは、小腸腺がんを自然発症した。γ線(3.0Gy)を全身照射してAMLを誘発したところ、潜伏期が短縮したが,AML誘発率は、正常マウスと有為差がなかった。小腸腺がんは、悪制度を増した。化学発がん物質に対する感受性については、現在観察中である。 II-2.Del(2)Sey4Hの化学発がん物質および放射線に対する感受性を検討した。Del(2)Sey3Hミュータントは、小腸腺がんを自然発症した。メチルニトロソウレア(50mg/kg)を暴露して胸線リンパ腫発症を誘発したところ、胸線リンパ腫誘発率は、正常マウスと有為差がなかった。小腸腺がんは、両発がん物質暴露により、それぞれ悪性度を増した。 III.がん抑制遺伝子同定 染色体2番中間部の欠失ミュータントマウスは、小腸腺がんを自然発症する家系であることが分かった。マウス染色体2番のシークエンスデータと、ミュータントマウスの染色体欠失マッピングから、この表現型をもたらす遺伝子は、総数50以下にしぼられ、そのうち半数が未知遺伝子であることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)