2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14033217
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
横田 義史 福井大学, 医学部, 教授 (50222386)
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Keywords | Id2 / 乳腺 / B細胞 / サイクリンD1 / C / EBPβ / 遺伝子欠損マウス |
Research Abstract |
bHLH型転写因子の機能抑制因子の一つであるId2は、細胞の分化と増殖の制御に深く係わっている。Id2欠損マウスが示す多彩な病態の解析をとおして、細胞の増殖と分化がどのように制御されているのかを個体レベルで明らかにすることが本研究の目的である。 本年度の研究成果は以下のとおりである。 1)Id2欠損マウスにみられる乳汁分泌不全は乳腺上皮細胞でのサイクリンD1の異所性過剰発現によっても回復せず、Id2はサイクリンD1の機能的な下流因子ではないと考えられた。一方、サイクリンD1の異所性過剰発現によって生ずる乳腺上皮細胞の過形成と腫瘍形成がId2遺伝子の欠損により消失することを見出した。以上より、Id2はサイクリンD1のエフェクター分子である可能性が示唆された。 2)C/EBPβ欠損マウスはId2欠損マウスと同様の乳汁分泌不全を呈するが、Id2のプロモーター解析により、C/EBPβがId2の上流因子として機能し、Id2の発現調節を行っているを明らかにした。C/EBPβの発現誘導システムを培養細胞を用いて構築し誘導をかけると内因性Id2の遺伝子発現が誘導されること、C/EBPβ欠損マウスの乳腺ではId2の発現が低下していることも確認した。 3)B細胞の免疫グロブリンのクラススイッチに重要な役割を果たすAIDの遺伝子発現にはPax5が関与しており、Id2はこのPax5の機能発現を抑制的に制御していることが判明した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Mori S.et al.: "Forced expression of cyclin D1 does not compensate for Id2 deficiency in the mammary gland."FEBS Letters. 551. 123-127 (2003)
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[Publications] Gonda H. et al.: "The balance between Pax5 and Id2 activities is the key to AID gene expression."J.Exp.Med.. 198. 1427-1437 (2003)
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[Publications] Nambu Y. et al.: "Transcription-coupled events associating with immunoglobulin switch region chromatin."Science. 302. 2137-2140 (2003)
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[Publications] Kim J.-K.et al.: "Impairment of intestinal intraepithelial lymphocytes in Id2 deficient mice."Gut. 53. 480-486 (2004)
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[Publications] Jang M.-H.et al.: "Intestinal villous bacteria translocation islands : a new antigen entry site in the mucosal epithelium."Proc.Natl.Acad.Sci.USA. (in press). (2004)