2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14033235
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大島 靖美 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (90037606)
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Keywords | 個体の大きさ / 細胞周期 / C.elegans / BMK1 / ERK5 / sma-5 / 成長 |
Research Abstract |
A.SMA-5タンパクの一部分2領域を大腸菌で発現させ、これを抗原として作成したウサギ抗体を用いて、野生型及びsma-5変異株のウエスタンブロット解析を行ったが、内在性のSMA-5タンパクをはっきりとは同定できなかった。昆虫細胞または大腸菌でのタンパク質の発現を試みる予定である。 B.1)sma-5変異株にWO6B3.2遺伝子をextrachromosomal array (Ex)として導入した株から、この遺伝子がGFPを発現するマーカー遺伝子とともに染色体に挿入された株を分離した。この株の大きさはEx株とほぼ同じであり、野生型と同じ大きさには回復しなかった。このようにWO6B3.2遺伝子によるsma-5表現型の相補が不完全なのは、内在性の遺伝子との発現パターンの微妙な違いによると推定している。2)ヒトBMK1/ERK5のcDNAの導入実験はまだ行っていない(D参照)。3)三谷 昌平氏により、WO6B3.2遺伝子のORFの約2/3を欠失した株が分離された。この株の表現型は既存のsma-5(n678)株と殆ど同じであり、WO6B3.2がsma-5遺伝子であることが確定した。 C.1)sma-5変異株の下皮の体積は4日成虫において野生型の46%であった。2)sma-5の腸の細胞及び核の数はL1幼虫において野生型と同じ20であり、成虫において腸の核数は野生型33に対してsma-5では約28であった。腸、下皮のDNAの含量には大きな違いがなく、個体全体のタンパク量は2日成虫で野生型の約20%であり、転写または翻訳の効率の低下が推定される。 D.1)sma-5遺伝子の器官特異的発現の効果の解析を行っている。 E.2)哺乳動物においてBMK1/ERK5(MAPK)を抑制することが知られているMEK5のC.elegansのホモログをコードする可能性のある4つの遺伝子のRNAi解析を行った。この結果、F14H12.4aのrrf-3株でのRNAiではF1の大きさがある程度減少し、これがSMA-5の上流因子でる可能性が示された。今後更に検討する。
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