2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14033235
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大島 靖美 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (90037606)
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Keywords | 個体の大きさ / 細胞周期 / C.elegans / BMK1 / ERK5 / sma-5 / 成長 |
Research Abstract |
1.sma-5変異体において、sma-5のcDNAを下皮、腸、下皮および腸で発現させたところ、下皮のみで発現させた時に最もよく大きさの回復が見られ、sma-5遺伝子のプロモーターによって発現した時と同じ程度であった。このことから、sma-5遺伝子の下皮における発現が体全体の大きさの制御に重要であると考えられる。 2.sma-5変異体のニューロンと核のDNA含量を測定し、ニューロンの核DNAが2Cであると仮定して腸の核のプロイド数を計算すると34Cとなり、野生型の結果と有意な違いがなかった。下皮についてはまだ結論がでていない。 3.sma-5変異体の腸の核数は成虫において野生型よりわずかに減少している(84%)が、この違いはL2期以降に生ずる。 4.S期特異的に発現するといわれるcye-1::gfp遺伝子によって、腸の核分裂のS期に異常があるかを調べることを試みたが、この発現が必ずしも明瞭でなく、また野生型との違いが小さいので、結論は不明である。 5.哺乳動物のBMK1/ERK5の上流で働くMEK5(MAPKK),MEKK3(MAPKKK)のC.elegansのホモログである可能性のある計約20の遺伝子について、feeding RNAiを行った。MEK5のホモログと思われるCO9B8.7のRNAiでは、rrf-3株、N2株とも子どもの体積が1/2程度以下に減少し、成長速度、腸の顆粒の分布についてもsma-5変異体に似た表現型が示された。従って、この遺伝子がSMA-5の上流でMAPKK(またはMAPKKK)としてSMA-5の機能に必要である可能性が強い。
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