2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14033237
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小林 英紀 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (20150394)
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Keywords | 細胞周期 / サイクリン / サイクリン依存性キナーゼ / 蛋白質分解 / ユビキチン化 |
Research Abstract |
ユビキチン依存性で分解されるサイクリンAとサイクリンBは、細胞周期における選択的蛋白質分解のしくみの解明にとって重要なモデル蛋白質として位置付けられる。我々は、サイクリンAと結合する蛋白質XDRP1を同定してサイクリン分解に対する効果を調べたところ、XDRP1がM期でポリユビキチン化したサイクリンA、Bに結合すること、しかし、サイクリンAの蛋白分解を阻害するが、サイクリンBの分解は阻害しないという選択的阻害効果をみられた。本年度は、ツメガエルの卵抽出液を用いて細胞周期における分解と選択阻害のしくみを解析した。XDRP1と高い相同性を示す新たなXDRPファミリー遺伝子(XDRP1-600)をクローニングして、サイクリンAとの結合を調べると、このXDRP1-600はサクリンAと結合しないし、またサイクリンAの分解も阻害しなかった。サイクリンAとの結合の違いはN末端のUbLドメインの違いによるものであった。XDRP1のUbLはサイクリンAに結合した。しかし、XDRP1-600のubLは15アミノ残基の挿入があり、サイクリンAに結合しなかった。UbLはプロテアソームと結合するが、サイクリンAのUbLドメインへの結合により、UbL-プロテアソーム間の結合が阻害されて、サイクリンAの分解が阻害されると考えられる。現在そのしくみの解析を継続している。さらに、XDRP1はサイクリンA依存性キナーゼによりリン酸化され、核に局在し、細胞周期に依存して脱リン酸化されるリン酸化蛋白質である。サイクリンAへの結合とXDRP1のリン酸化を介してサイクリンAとサイクリンBの選択的分解がいかに制御されているかを現在解析中である。
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[Publications] Goda T.et al.: "The RRASK motif in Xenopus cyclin B2 is required for the substrate recognition of Cdc25C by the cyclin B-cdc2 complex."J.Biol.Chem.. 278. 19032-19037 (2003)
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[Publications] Asai A.et al.: "A new structural class of proteasome inhibitors identified by yeast-based assay."Biochem.Pharm. 67. 227-234 (2004)