2002 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪細胞分化におけるclonal expansionと分化シグナルの切り換え機構
Project/Area Number |
14033242
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
今川 正良 名古屋市立大学, 薬学研究科, 教授 (20136823)
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Keywords | 脂肪細胞 / 肥満 / 細胞分化 / Rho / 転写因子 / clonal expansion / 糖尿病 / 生活習慣病 |
Research Abstract |
肥満に直結する脂肪細胞分化の重要な制御因子として、PPARγ(Peroxisome Proliferator-Activated Receptorγ)やC/EBP(CCAAT/Enhancer-Binding Protein)ファミリーが同定された。しかし、これらが発現するのは、脂肪細胞分化の中期であり、脂肪細胞分化の最も初期における変化は未だ不明な点が多い。脂肪細胞の分化には、細胞がconfluentに達した後、clonal expansionというステップを経る必要が有り、その後分化の過程に進むことが知られている。しかし、この切り換えスイッチの機構については全くわかっていない。最近我々は、脂肪細胞分化初期すなわちclonal expansionの時期に発現が増加する因子として、Rhoファミリーの一つであるTCLおよびG proteinシグナルに関わるRGSファミリーの一つであるRGS2を同定した。そこで脂肪細胞分化初期におけるTCLおよびRGS2の機能解明を目的とし以下のことを明らかとした。 1)TCL強制発現細胞を用いた解析により、TCLは、脂肪細胞分化に重要な役割を果たしていることを明らかとした。特に、PPARγに至る経路に深く関わっていることを明らかとした。 2)TCLの標的遺伝子を検討するため、サブトラクション法を用いて、TCLにより発現が増加または減少する遺伝子群を多数単離した。これらの一部の遺伝子は、脂肪細胞分化においてもTCLの発現と良く相関し、脂肪細胞分化初期に関連する可能性が示唆された。 3)RGS2強制発現細胞を用いた解析の結果、RGS2もTCLと同様脂肪細胞分化に重要な役割を果たしていることを明らかとした。またTCLと同様、PPARγに至る経路に深く関わっていることを明らかとした。 4)RGS2の標的遺伝子を検討するため、DNAチップ法をおよび二次元電気泳動法を用いて、RGS2により発現が増加または減少する遺伝子群を多数単離した。これらの一部の遺伝子は、脂肪細胞分化においてもRGS2の発現と良く相関し、脂肪細胞分化初期に関連する可能性が示唆された。さらに、pull-down assayにより、RGS2と相互作用する因子を複数認めた。その一部については、質量分析計により同定を行った。 以上のように、TCLおよびRGS2が共に、脂肪細胞分化初期に重要な役割を果たしていることを明らかにするとともに、それらの標的遺伝子群の候補を多数同定した。
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Research Products
(1 results)