2002 Fiscal Year Annual Research Report
金魚再生視神経は成熟視蓋において如何にシナプス再機構化を獲得するか
Project/Area Number |
14034219
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
加藤 聖 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10019614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松川 通 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30219414)
荒井 國三 金沢大学, 薬学部, 講師 (50126562)
谷井 秀治 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90110618)
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Keywords | 金魚 / 視神経再生 / 視蓋 / シナプス再編成 / 網膜-視蓋投射 |
Research Abstract |
<1 研究目的> 金魚の網膜神経節細胞はその軸索である視神経を切断しても変性脱落しない。さらに、切断端から再び軸索を伸長し標的視蓋(金魚の視覚最高中枢、哺乳類の上丘に相当)に到達しその後視覚機能も完全に回復する。そこで本研究では視蓋でのシナプス再結合に関与する分子を遺伝子クローニングの技術を用いて探索同定し、その局在や機能について検討することが目的である。 <2 研究成果> 視蓋でのシナプス再結合に関与する分子 再伸長した軸索線維終末が、視蓋神経細胞と特異的なシナプス結合を完成させる時期(即ち、視覚機能が完全に回復する時期)をHRPトレーシング法及び視覚依存性行動の解析から金魚では視神経切断後4〜6ヵ月であることを明らかした。そこから逆算してシナプス再編成の開始時期を切断後60日位と判定し、視神経切断後60日目の視蓋からmRNAを抽出し、cDNAライブラリーを作製した。次いで未処理視蓋と視神経切断60日目の視蓋からRNAを抽出し、それをプローブとして用い、視神経切断により発現が増加するクローンをcDNAライブラリーよりスクリーニングした。軸索ガイダンス分子エフリンA2を含むいくつかのポジティブクローンが得られた。金魚エフリンA2をコードしていると思われるmRNAは全長1576bp、195個のアミノ酸からなっていた。これをプローブとして今後in situハイブリを行い視蓋におけるトポグラフィーや視神経切断後の細胞局在や発現の時間経過等を探る予定である。 ゼブラフィシュの行動解析装置の試作 魚類の視神経再生後の視覚機能の回復を客観的かつ定量的に捕らえるため、CCDカメラ、コンピューターを用い画像処理を行い、ゼブラフィッシュの行動解析装置を開発した。視神経切断魚と未処理魚との行動を比較し、この視覚依存性行動とその回復経過について追求した。この結果、追尾行動(1匹が他の1匹を追跡追尾する行動)が大きく視覚に依存、その回復は視神経切断後ゼブラフィッシュでは2〜3ヵ月と金魚と比べて速いことが判明した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Liu, Z.W., Matsukawa, T., Arai, K., Devadas, M., Nakashima, H., Tanaka, M., Mawatari, K., Kato, S.: "Na, K-ATPase, alpha 3 subunit in the goldfish retina during optic nerve regeneration"J.Neurochemistry. 80(5). 763-770 (2002)
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[Publications] Takizawa, N., Tanaka, M., Liu, ZW., Koriyama, Y., Matsukawa, T., Kato, S.: "A dissociation of γ-butyrolactone-induced absence seizure and CRE-and AP-1 DNA-binding activities in the developing rat brain"Neurosci.Res.. (In press). (2003)
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[Publications] Sugitani, K., Devadas, M., Liu, ZW., Sugawara, K., matsukawa, T., Ishita, S., Kato, S.: "The Goldfish Visual System as a Useful Model for CNS regeneration : from Gene to Behavior"In : Recent Research Developments in Neurochemistry. (In press). (2003)